国内 2016.01.09

トップリーグ4強決定! 準決勝はパナソニック×神戸製鋼、ヤマハ×東芝

トップリーグ4強決定! 準決勝はパナソニック×神戸製鋼、ヤマハ×東芝
タッチライン際で競り合うヤマハのFB五郎丸歩とNTTコムのCTBジェガル・ビン(撮影:早浪章弘)
 日本最高峰のトップリーグで頂点を争う、ベスト8チームによる「LIXIL CUP」が1月9日から始まった。負けたら脱落のノックアウトステージで勝ち進んだのは、3連覇を狙うパナソニック(グループA 1位)、前年度の日本選手権で初優勝したヤマハ発動機(グループB 1位)、6季ぶりの王座奪還をめざす東芝(グループA 2位)、トップリーグ初代王者の神戸製鋼(グループB 2位)で、昨季の4強がそのまま優勝争いに残った。
 リーグ戦7試合で290得点(1試合平均約41得点)と圧倒的な攻撃力を誇るパナソニックは、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場でキヤノンと対戦し、46-6で大勝。司令塔のベリック・バーンズと日本代表WTBの山田章仁を怪我で欠いたものの、代わりに先発したSOヘイデン・パーカーとWTB児玉健太郎が活躍するなど層の厚さを見せつけた。
 PGで先制すると、前半12分にはブレイクダウンでボールを奪い返したあとフェイズを重ねてゴールに迫り、PR川俣直樹がトライ。20分には川俣のタックルからターンオーバーしてテンポよくつなぎ、FB笹倉康誉が内に返したところをWTB児玉が抜けてゴールまで走り切った。
 パナソニックは23-6で迎えた50分(後半10分)、後方からタイミングよく走り込んできたLOヒーナン ダニエルが突破して追加点。74分にはWTB児玉が2トライ目を決め、今季ベストキッカーのバーンズに代わって重責を担ったパーカーが成功率100%のゴールキック(10本すべて成功)で得点を重ねたのも大きかった。
 キヤノンは何度かチャンスがあったが、ラインアウトが安定せず、相手のプレッシャーもあってミスが多かった。
 準決勝でそのパナソニックに挑むのは神戸製鋼だ。神戸製鋼は愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で近鉄とぶつかり、42-10で快勝。
 神戸製鋼は前半11分、ルーズボールを確保してからのカウンターでショートサイドを攻め、FB正面健司がキックで転がしたボールをCTB南橋直哉がドリブルしてインゴールで押さえ、先制した。19分にはラインアウトモールで追加点。PGで相手に3点返された直後の24分には、リスタートのキックオフボールを鮮やかにキャッチしたWTB大橋由和がそのままゴールに持ち込み、さらに、29分にもラインアウトからFWが塊になって押し込み、リードを広げた。
 ディフェンスでも強さを発揮した神戸製鋼は、前半終了前にも踏ん張ったあと、自陣深くでのスクラムから攻め上がり、最後はWTB大橋がトライを決め、勝利を引き寄せた。
 後半早々にFB正面のドロップゴールで着実にリードを広げた神戸製鋼は、その後2トライを追加。近鉄は、終盤にFLラトゥイラ レプハがゴールラインを割ったが、関西勢対決で笑ったのはコベルコスティーラーズだった。
 昨季準優勝チームのヤマハ発動機は、大阪・キンチョウスタジアムでNTTコミュニケーションズと対戦し、26-7で下して準決勝進出を決めている。
 先制したのはNTTコムだった。前半19分、自陣ラインアウトからのアタックでルーキーのCTB石橋拓也が抜け、サポートした韓国代表のCTBジェガル・ビンがゴールに持ち込みトライを挙げた。
 NTTコムの粘り強いディフェンスに無得点の状況が続いていたヤマハだが、前半39分に相手のキーマンであるNO8アマナキ・レレィ・マフィが故意の反則でシンビンとなったあと、スクラムで押し込み7-7の同点にして前半を終えた。
 ヤマハは後半序盤のボール争奪戦を制してゴールに迫り、NO8堀江恭佑がこの日2つ目のトライで勝ち越すと、53分には日本代表でもあるCTBマレ・サウが切り込んで追加点。63分には再びスクラムで優勢となってペナルティトライを得、ノックアウトステージの1回戦を制している。
 そして、4強入り最後の切符を獲得し、準決勝でヤマハ発動機と顔を合わせることになったのは東芝だ。パロマ瑞穂ラグビー場でトヨタ自動車と対戦し、29-17で競り勝った。
 東芝は前半8分、敵陣22メートルライン内のラックから右へ大きく展開し、WTB廣瀬俊朗のトライで先制。PGで3点を追加し、序盤を8-0とリードした。
 対するトヨタ自動車は21分、自陣でのラインアウトからテンポよく攻め上がり、左サイドをFWがつないでリーグ戦最多トライゲッターのNO8安藤泰洋がゴールに持ち込み、サポーターを喜ばせた。
 しかし東芝は27分、ゴール前のスクラムでアドバンテージをもらったあと大胆に攻め、左へ大きく振った球はWTB大島脩平からCTB増田慶介に渡り、トライが生まれた。
 15-10で後半を迎え、風下で耐えていた東芝は56分、ルーズボールをCTBリチャード・カフイが拾ってFL山本浩輝につなぎ、ビッグゲイン、WTB大島がサポートしてゴール左隅に飛び込み、リードを広げた。
 接点で苦労していたトヨタ自動車は64分、LOレナルド・ボスマのダイナミックな走りで活気づき、連続攻撃からCTBタウモエピアウ シリベヌシィがフィニッシュして再び5点差に詰めたものの、東芝は71分にスクラムでペナルティトライを獲得し、これが決定的となった。
 準決勝は1月16日。パナソニック×神戸製鋼は秩父宮ラグビー場でおこなわれ、ヤマハ発動機と東芝は東大阪市花園ラグビー場で激突する。

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