国内 2016.01.01

フィジカル! スクラム! 東海大が初の頂点へ息巻く

フィジカル! スクラム! 東海大が初の頂点へ息巻く
東海大の藤田貴大キャプテン。まずは6大会ぶりの決勝進出をめざす(撮影:松本かおり)
 関東大学リーグ戦王者の東海大は、2016年1月2日、東京・秩父宮ラグビー場で大学選手権準決勝に挑む。大学の体育学部と連携を図って肉体鍛錬を重ねてきたスカイブルーのジャージィは、充実した戦力で初の王座を狙う。
 試合後のクールダウン時は脱いだスパイクとソックスを隅に揃えておくFL藤田貴大主将は、「ブレイクダウン(肉弾戦)を制圧して、自分たちのやりたいことをやり切る」。選手権6連覇中の帝京大とも、真っ向からフィジカル勝負に挑む。関東大学対抗戦A所属の王者を相手に、「いくらでも(帝京大と)やりたい」と木村季由監督。公式戦の春季大会に加え、7月には練習試合を申し出た。2連敗も、ターゲットとの距離感を測ってきた。
「東海大、スクラムは強い」とは、対する岩出雅之監督だ。そう。東海大の持ち味のひとつに安定したセットプレーがある。
 ラインアウトでは的確なサインコールで高い成功率をキープ。その時々の出場選手の身長とは無関係に、制空権を奪っている。
 そしてスクラムでは、一部の大学生のチームがおろそかにしがちな最後列からの押し込みにも手を抜かない。
 今季は最前列に、スーパーラグビー(南半球最高峰)のサンウルブス入りを表明したPR平野翔平が屹立する。身長178センチ、体重120キロの4年生は、5月に来日したニュージーランド学生選抜からもペナルティトライを奪うなど強いプッシュを繰り出した。「自分はスクラムが強みだと思っている。だから普通に組んでいただけです」と笑みを浮かべていた。
「目指すのは日本一」とぶれないのは、WTB石井魁副将。50メートル走5秒台のスピードと大外からのコミュニケーションでチームを支えるリーダーだ。体幹と勝負勘に長けるFB野口竜司、ランニングスキルが高いWTB近藤英人と、強力なバックスリーを形成する。準決勝で戦う明大には、背後のスペースをキックでえぐるSO/FB田村煕がいる。3人のキック処理やカウンターアタックは、決勝進出へのキーファクターになるかもしれない。
(文:向 風見也)

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