国内 2015.12.31

兵庫県スクール選抜が全国ジュニア大会初優勝。終盤に劇的勝ち越しトライ!

兵庫県スクール選抜が全国ジュニア大会初優勝。終盤に劇的勝ち越しトライ!
初優勝を喜ぶ兵庫県スクール選抜の選手、スタッフ(撮影:松本かおり)
 第21回全国ジュニア大会は12月31日、東大阪市花園ラグビー場で最終日の順位決定戦が行われた。第1ブロックの決勝戦は史上初のラグビースクール選抜同士の戦いとなり、お互いが勝てば初優勝。最後まで行方の分からない激闘は、兵庫県スクール選抜が神奈川県スクール選抜を24-21で破り初優勝を飾った。
 前半から両チームの激しいディフェンスが緊迫感を漂わせる。12-7と兵庫県スクール選抜がリードして折り返すと、後半8分にはPR大賀宗志がラックサイドを飛び込み17-7として主導権を握ったかに思われた。
 残り10分から息を吹き返した神奈川県スクール選抜は、12分にペナルティからの速攻を仕掛けて、PR鈴木康平が素晴らしいランニングコースで右隅にトライ。さらにこの難しい角度のゴールをWTB津田貫汰が決めて14-17と3点差に迫ると、14分には途中出場のFB射場福太郎がWTB伊藤峻佑のパスを受けてインゴールへ。21-17とリードを奪い返す。
 残り5分、兵庫県スクール選抜のFB李承信主将は冷静だった。「接点で勝っていたので、1トライは返せると思っていました」と話すように、自陣からもしつこく連続展開すると、19分にはWTB金也仁が左隅に逆転のトライ。FB李がゴールを決めて24-21と土壇場で逆転に成功した。
 ロスタイムは1分のアナウンスが流れたが、兵庫県スクール選抜は攻め続けた。ターンオーバーされるとピンチを招くのだが、タッチに蹴り出す様子はなく、2分近く攻めて、最後はタッチに蹴り出した。「時間はレフリーに聞いていたので、ノータイムを聞いてから蹴り出しました」と李主将は冷静だった。
「最後まであきらめないのが持ち味。一生懸命、笛が鳴るまで走り続けようと言ってきたチームです。それを出してくれました」と兵庫県スクール選抜の成田崇監督。一方、敗れた神奈川県スクール選抜も紙一重の戦いを演じた。小さな選手が多いチームで、昨年のスケールの大きなチームよりも劣ると言われていたが、成績では見事上回って見せた。「組織で走って勝つを大切にしてきたチーム。そこは出せました」と振り返るのは、神奈川スクール選抜の小田原廉主将。初優勝は逃したが、来年以降に大きな財産を残した。
 また第1ブロックの3位決定戦は、長崎県選抜と東京都中学校選抜が14-14と引き分けて、3位を分け合った。後半のロスタイム、両チームが攻め合い、つなぎ、3分近く笛が鳴らない素晴らしい展開にスタンドから大きな拍手が送られた。
(文:福田達)

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きちんとタックルに入るチーム同士の戦いだった(撮影:松本かおり)
<最終日の結果>
■第1ブロック
▽決勝 
兵庫県スクール選抜 24-21 神奈川県スクール選抜 
▽3位決定戦 
長崎県選抜 14-14 東京都中学校選抜(ともに3位) 
▽5・6位決定戦 
大阪府中学校選抜 19-15 福岡県選抜
▽7・8位決定戦 
京都府中学校選抜 41-12 奈良県中学校選抜
■第2ブロック
▽決勝 
愛知県中学校選抜 33-24 熊本県選抜 
▽3位決定戦 
群馬県スクール選抜 39-10 茨城県中学校選抜 
▽5・6位決定戦 
岐阜県スクール選抜 22-21 千葉県スクール選抜 
▽7・8位決定戦 
東京都スクール選抜 36-17 北海道中学校選抜

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