国内 2015.11.14

「ウチはいつもと変わらない」 パナソニックがサントリー制した細かいところ

「ウチはいつもと変わらない」 パナソニックがサントリー制した細かいところ
ラインアウトで奮闘するパナソニックのLO谷田部洸太郎(撮影:松本かおり)

<ラグビートップリーグ グループA 第1節>
パナソニック 38-5 サントリー
(2015年11月13日/東京・秩父宮ラグビー場)

 サントリーが持ち前の連続攻撃を試みても、前進できない。パナソニックが押し返していたからだ。

 HO堀江翔太主将も、ヒーナン ダニエルと谷田部洸太郎の両LOも、NO8ホラニ龍コリニアシも、タックルと接点への突っかけでサントリーの走者や援護役の懐へ踏み込んだ。NO8ホラニ龍コリニアシは淡々と、「いつもと変わらなかった。それが(いい形で)目立った」。

 WTB江見翔太のカウンターでサントリーが敵陣の深い位置へ進んだのは、前半26分頃。手早く止めを刺すか。否。対するFLユ・ヨンナムが、大外へのパスをカットした。

「パナは突破されると(守備網の)外側が出てくる。それにハマった」

 好機を逃したSH流大は、相手の「いつも」の長所に舌を巻いた。

「このタイミングで(球を)出したいというところ(の接点)で手をかけられて…。リズムが作れなかった」

 勝者は攻めても下働きで魅せた。

 前半6分、WTB山田章仁の両軍通じて最初のトライを産んだのは、敵陣ゴール前左でのSOベリック・バーンズのキックパスだった。そして、それを導いたのはFLユだった。接点の周りで身を挺し、目の前の相手の動きをせき止める。「自分の仕事をやれば、次の人が(点を)取ってくれる」。サントリーのSOバーンズへの圧力を軽減させたのだ。

 敗れたPR畠山健介が「細かいところに差が出るとこれくらい点差がつく。教訓を得た」と話す一方、勝ったHO堀江主将は「いらん反則は何個かあった。勝とうが負けようが直すところはある」。いずれも、1月の閉幕までの進化を誓った。

(文:向 風見也)

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