リオ五輪へ。男子セブンズ日本代表がアジア予選で優勝!
こちらも歴史を変えた。
11月7日から香港で開催されていたリオデジャネイロ五輪アジア予選。この大会を制した男子セブンズ日本代表は、7人制ラグビーがオリンピックで採用される初めての大会への出場権を獲得。日本ラグビー史に初めて「五輪」の字を刻むとともに、リオの地で大きな足跡を残すチャンスを手にした。
予選決勝の相手は地元・香港だった。ファンの声援が敵にばかり注がれる完全アウェーの中、日本は先制点を許し、苦しんだ。
前半4分に許した先制点は、PKから攻められ、右スミに飛び込まれた。2本目の失トライはしつこく攻められた後、パスが乱れたのにボールは相手の手に入り、走られた。大声援でコミュニケーションが取れない。熱くなりすぎて近場、近場に走り、ターンオーバーされる。混乱した(前半0-10)。
ハーフタイム、瀬川智広ヘッドコーチは「もっとボールを動かそう」と選手たちに呼びかけた。つまり、いつもの自分たちに戻ろうということだ。
後半立ち上がり、日本は積極的に動いた。2分40秒、PKから速攻を仕掛ける。最後は大きく左に展開し、フィニッシャーの後藤輝也が左中間に走り込んだ。
桑水流裕策主将が振り返る。
「あのトライで、そうだ、やっぱりこうすればいいんだ、と落ち着けたんです。分析で外まで運べば相手の防御は綻ぶと分かっていたのに。そこからは、やってきたことをやれた。いろんな意味で、勝った瞬間はホッとしました」
セブンズ代表に選ばれて10年以上。キャプテンの笑顔はピュアだった。
勢いに乗った日本は、3トライを重ねた。PKから速攻を仕掛けて。ターンオーバーから。誰かの細かなミスを全員でカバーして、香港ファンの大声援を落胆の声に変えて歓喜の時を迎えた。24-10の逆転勝ちだった。
瀬川ヘッドコーチが穏やかな表情で言った。
「本当に選手たちはよくやってくれました。日本のラグビーに勢いがある中で、その風をまた少し大きくできたかな、と思います」
ラグビーブームが国内で盛り上がる中、またひとつ、その熱を高める結果が残った。いろんなラグビーを多くの人々が知ることは、観る人、やる人のどちらにも、ラグビーの裾野を大きく広げてくれそうだ。国民の多くが大好きなオリンピックに出る。最高の普及活動になる。