調子を上げてきたオールブラックス トンガ奮闘するも王者は強し
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ラグビーワールドカップ史上初の連覇をめざし、すでに準々決勝進出を決めていたニュージーランド代表が、10月9日に英国・ニューカッスル(セントジェームズパーク)でおこなわれたトンガ代表戦に47-9で快勝し、プールステージを4戦全勝で終えた。
敗れたトンガはプールCの4位が確定し、各プール3位以上に与えられる2019年大会の自動出場権を逃した。4年後の日本行き切符は、オセアニア予選で争うこととなる。
戦い前の儀式、ハカ vs. シピタウからヒートアップの両チーム。トンガはやられる前にアタックするという戦術で前半を健闘し、14-3と競って折り返した。
しかし、ノックアウトステージへ向けて調子を上げてきているオールブラックス(ニュージーランド代表)は、ファイティングスピリッツ溢れるトンガにゴールラインを割らせず、攻めては7トライ。今年8月に代表デビューし、今大会でセンセーショナルな活躍を見せているWTBネヘ・ミルナースカッダーはこの日2トライを決め、9月24日のナミビア戦に続いてマン・オブ・ザマッチに選ばれている。
この試合が100キャップ目だったCTBマア・ノヌーも終盤にトライを挙げ、記念ゲームを飾った。
ハリケーンズアカデミーでノヌーと一緒にキャリアをスタートしたトンガ代表主将のFLニリ・ラトゥも、友人の100キャップを祝福。テストマッチ49試合(パシフィック・アイランダーズで6キャップ)に出場してきたラトゥだが、実は、自身がオールブラックス戦でプレーしたのはこの日が初めてで、「決して簡単な相手ではなかった」と認めた。そして、敗れはしたが、「いままでで、きょうの試合が我々の最も強いパフォーマンスだったと思う。トライを奪うことはできなかったが、ハードワークの末に3点を獲得した。私は本当にチームを誇りに思う。もうこれ以上求めることはできないくらい、みんな懸命にやってくれた」と戦いを振り返った。
そして、勝ったオールブラックスのスティーヴ・ハンセン ヘッドコーチは、準々決勝の相手はフランスかアイルランド、どちらがいいかと訊かれ、「気にしない。私が気にするのは自分のチームのことだけだ」とコメント。そして「いまどんなプレーをしていようとまったく意味がない。我々はマルセイユ(2007年ワールドカップ)でイタリアに60点以上差をつけて勝ったが、準々決勝で(フランスに)ノックアウトされた」と語り、これから先の、負けたら終わりの戦いに向けて気を引き締めていた。