ワールドカップ 2015.10.10

W杯プールラストでやっと初先発! 藤田慶和は連戦ジャパンに活力もたらすか?

W杯プールラストでやっと初先発! 藤田慶和は連戦ジャパンに活力もたらすか?
ワールドカップ初出場に向けて気合が入る藤田慶和(撮影:早浪章弘)

 早大4年の花形選手に、やっと出番が回ってきた。
 
 ラグビー日本代表は11日、グロスター・キングスホルムスタジアムでアメリカ代表とのワールドカップ予選プールB・最終戦をおこなう。ここまで出番のなかったWTB藤田慶和が今大会初先発を果たす。

 チームはここまで2勝1敗で、勝点を8とする。10日にサモア代表がスコットランド代表戦(ニューカッスル・セントジェームズパーク)を制すればジャパンの決勝トーナメントも見えてくるという、重要な局面。エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)は、ここまで出番のなかったWTB藤田の先発起用を決断した。

「直感です」

 会見中、指揮官は繰り返す。

「いいプレーをすると思った。エネルギーと熱意がチームに活力を与えてくれる。過去のアメリカ代表戦でもいいプレーをした歴史があります(7月24日/今年のパシフィック・ネーションズカップで先発/●18-23)。特に、これといった理由はありません」

 WTB藤田は東福岡高を卒業して間もない頃から代表入り。国内での最年少テストマッチ出場記録(18歳7か月27日)を誇り、ジョーンズHCからは「3年前から代表入りを決めていた」と言われるなど他選手とは違う扱いを受けてきた。持ち味はストライドの大きな走りと、何より前向きさか。控え組でのトレーニングが続いた経験も、こんなふうに捉えようとしていた。

「裏方に回ることが多くなって、鳥の目で見られたな、って。チームは、こうやって強くなっていくんだな、と感じられました。自分としては悔しいですけど、いい経験にもなっていると思います。ただ悔しがっているだけではだめ。本気で練習することで、試合のメンバーが試合を上手く戦える…と」
 
 アメリカ代表には、FBクリス・ワイルス主将を筆頭に走力あるバックスリーが集う。
 対するジャパンはこの日の指揮官が終始くぐもった声で「いまの(チームの)状態はピークではありません。ただ、日曜までにはピークになる」などと話し、9日にはFLリーチ マイケル主将も精神面での伸びしろがあると明かしていた。

 そんななか、キーマンとのマッチアップの機会が増えそうなWTB藤田は「ディフェンスではスピードに乗らせないでしっかり止めて、アタックではとにかく積極的に行く」と対戦を心待ちにする。

「相手をしっかりリスペクトすることが重要」

 合宿中、ともに出番のなかったSO/WTB廣瀬俊朗前主将、HO湯原祐希が今回もメンバー外だったことを鑑み、「支えてもらった…。チャンスをもらったので身体を張りたい」。活気ある声で闘志を表す。生来の活力でチームを勢いづけられるか。

(文:向 風見也)

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