ワールドカップ 2015.10.09

ナミビアの闘将ジャック・バーガー 脳震とうで最終戦出場できず、引退。

ナミビアの闘将ジャック・バーガー 脳震とうで最終戦出場できず、引退。
オールブラックス戦でのジャック・バーガー。世界最強軍団にも果敢に挑んだ
(Photo: Getty Images)

 ナミビアラグビー界最大のスターであり、同国代表の主将を務めてきたFL/NO8ジャック・バーガーが、予定より早く、インターナショナルステージから引退することになった。32歳。自身にとって最後のワールドカップと決めていた大会で、ナミビア代表悲願の初勝利をめざしていたが、10月7日のジョージア戦でタックルをした際に脳震とうを起こし、11日の最終戦、アルゼンチン戦でプレーすることは叶わなくなった。

 南アフリカやフランスのクラブチームでプロ選手としてのキャリアを重ね、現在はイングランドの強豪サラセンズの人気選手でもある。2004年のザンビア戦で代表デビューし、獲得したキャップ数は36。ワールドカップ3大会(2007、2011、2015年)に出場し、前回のニュージーランド大会と今回のイングランド大会ではキャプテンとしてチームをけん引してきた。

 恐れ知らずの激しいタックラーであり、ラックでも勇敢、いつも先頭に立って身体を張る闘将だった。2011年ワールドカップではひざの怪我を抱えたままプレーしていたが、IRB(現ワールドラグビー)による大会トップ5プレーヤーのひとりに選出される活躍だった。

 ナミビア代表は1999年から5大会連続でワールドカップに出場しているが、これまで18試合戦って一度も勝ったことがない。今大会のジョージア戦は16-17の惜敗で、前半10分にジャック・バーガーが負傷交代したことも響いていた。

「昨夜は最後まで戦えなくて非常に残念だった」と語った偉大なキャプテン。「それより残念なのは、日曜日に(アルゼンチン戦で)プレーできないことだ。こんな形でインターナショナルキャリアを終えたくはなかったが、後悔はしていない。私はチームをとても誇りに思っている。仲間たちと一緒にナミビア代表としてすばらしい時間をすごさせてもらった」。

 ナミビアラグビー協会のブラッドリー・バッソン会長は「彼はナミビアのすべてのスポーツマン、スポーツウーマンにとっての模範だった」とジャック・バーガーの貢献の大きさを語り、フィル・デーヴィス ヘッドコーチは「フィールドの中でも外でも、彼は本物のリーダーだ」と称えた。

 ジャック・バーガーはこれからもサラセンズでプレーするが、2015-2016シーズンをもって現役生活を終えるのではないかと言われている。

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