ワールドカップ 2015.09.07

スコットランド、米国、サモアも反省と収穫 ウェールズは主力2人W杯絶望か

スコットランド、米国、サモアも反省と収穫 ウェールズは主力2人W杯絶望か

豪代表のサム・カーターにタックルされ、パスを探すアメリカ代表司令塔のAJ・マクギンティ

(Photo: Getty Images)

 ラグビーワールドカップ前のウォームアップゲームがすべて終わった。
 日本代表はジョージア代表に13-10で逆転勝ちしたが、同じプールBに入るスコットランドとアメリカは黒星で終わり、本番に臨む。

 スコットランドはパリでフランスと対戦し、16-19で惜敗。
 60分(後半20分)、SHグレイグ・レイドロウのロングキックをチェイスし、足技も使ってボールを確保したWTBトミー・シーモーがトライを挙げ逆転したスコットランドだったが、16-12とリードして迎えた72分、フランスにゴール前のスクラムからトライを奪われゲームをひっくり返された。3点を追う75分にCTBマーク・ベネットが中央を突破してゴール寸前まで迫ったが、左への展開を慌ててパスを乱し、パリで16年ぶりの勝利を手にすることはできなかった。
 しかし、スコットランドはディフェンスで奮闘し、ラスト10分間は1人を欠きながらも果敢に攻めてフランスを苦しめた。

 アメリカは地元シカゴに世界ランキング2位のオーストラリアを迎え、前半は10-14と健闘したものの、後半だけで5トライを奪われ、結局10-47で敗れた。
 31分、2007年ワールドカップで脚光を浴びたスピードスターのWTBタクズワ・ングウェニアが大きくゲインし、オフロードでSHマイク・ペトリにつないでソルジャーフィールドの観客を熱狂させたが、アメリカが挙げたトライはこの1本のみ。セットプレーは不安定で、敵陣深くでのラインアウト失敗からカウンターを食らって失点するなど、世界トップレベルの厳しさを味わった。
 なお、アメリカ代表のワールドカップ登録メンバーに入り、欧州での経験を活かしてキーマンになると思われていたFL/LOスコット・ラヴァラ(昨季までスタッド・フランセ所属)は、トレーニング中にひじを骨折し、大会不参加が決定した。代役として、昨年代表デビューして4キャップを持つNO8/FLマット・トゥルーヴィルが追加招集されている。

 ジャパンの別のライバル、サモアは、プレミアシップ(イングランド1部リーグ)に属するクラブチームのワスプスと対戦し、25-19で辛勝。1点を追う試合終了間際にスクラムで押し、逆転トライを挙げた。

 開催国のイングランドは地元トゥイッケナムでアイルランドと試合をおこない、21-13で勝って18日の開幕に弾みをつけた。
 イングランドは前半3分、WTBジョニー・メイがパワーで押しきって先制トライ。13分には、SOジョージ・フォードがキックパスを放ってWTBアンソニー・ワトソンが空中戦に競り勝ち、追加点。
 ワールドカップ初優勝をめざすアイルランドは後半の52分にラインアウトからのアタックでトライを決め、2点差に詰めたものの、イングランドは途中出場のSOオーウェン・ファレルがPGで得点を重ね、逃げ切った。

 イングランドとともに強豪ぞろいの“死のグループ”に入るウェールズは、脳震とうから復活したWTBジョージ・ノースのトライなどでイタリアを23-19で下した。しかし、1番手SHのリース・ウェッブと世界的スターのFBリー・ハーフペニーが負傷し、最悪の場合は2人ともワールドカップに参加できないかもしれない。
 SHウェッブは前半、密集で数人の選手に押しつぶされて左足首を壊し、ストレッチャーで運ばれた。ハーフペニーは試合終盤、ルーズボールを取りに行こうとした際に足が滑り、テーピングを巻いてあった右ひざを痛め、彼も自力で退出することはできなかった。
 両選手の検査結果は早ければ月曜日に明らかになる。

<RWC2015出場国/9月5日、6日 試合結果>

・イングランド 21-13 アイルランド
・ジョージア 10-13 日本
・ウェールズ 23-19 イタリア
・ルーマニア 16-21 トンガ
・フランス 19-16 スコットランド
・アメリカ 10-47 オーストラリア
・フィジー 47-18 カナダ

・ワスプス 19-25 サモア
・レスター 34-55 アルゼンチン

※ ワスプスとレスターはイングランド1部リーグ(プレミアシップ)のクラブ

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