オールスターのスクラムでは東海大PR平野が魅せる!
東海大の怪力PR、平野翔平(撮影:松本かおり)
関東大学対抗戦とリーグ戦の選抜チームが激突する関東大学オールスターゲームが28日、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれる。急造チーム同士の対戦とあって、連携や試合運び以上に出場選手の技能に注目が集まる。そんななか、東海大4年のPR平野翔平は身長178センチ、体重120キロのスクラム職人。パワーと特殊な体型で相手を苦しめる。
5月5日には関東学生代表の一員として、ニュージーランド学生選抜(NZU)からスクラムによる認定トライを奪っている(秩父宮/●35-50)。ゴール前でのプッシュアップで相手の塊を崩壊させ、反則を誘ったのだ。「組んだらいけるという感じがした。いける、と」。その反則がなければ得点が決まっていたと判定され、5点が加わった。
東福岡高時代は全国高校ラグビー優勝を経験。当時の同級生で現日本代表のFB藤田慶和(早大4年)からもその怪力を賞賛されている。今春、その日本代表に練習生として加わった3年のPR渡邉隆之も、「(チーム内でのスクラムの)練習でも3番(右PR)対3番ということで、対面で組むことはあまりない(構造上、右PRの対面は左PR)。それでも平野さんの方から力を感じる」と証言した。当の本人は「1」番と言われる左PRもこなす。スクラムの実感をこう語ったことがある。
「(左右のPRを)両方できた方が、相手のやられたくないことがわかる。いろんな状況に対応できるから。(例えば)1番なら、ヒット(組み合う瞬間)で相手の懐に入り込みたい。3番に(その選手にとっての強い)姿勢を作られないように」
また、東海大のある卒業生のフロントローは、自らの胸のくぼみをさわりながらこう評したことがある。
「普通、人ってこの辺がへこんでると思うんです。でも、平野の場合はここも平ら。だから組み合う時、その平らな部分で相手に圧力をかけられているんです」
知恵と特徴を押し込みに昇華させるPR平野。件のNZU戦後にこう言っている。
「特別なことはやっていないです。普通に、組んでいるだけで…。ただ、自分の強みはスクラムだと思っている」