田中所属のハイランダーズが決勝進出! ハリケーンズと初優勝かけNZ対決へ
(Photo: Getty Images)
南半球の2015年クラブチャンピオンを決めるスーパーラグビーは、6月27日に準決勝2試合がおこなわれ、日本代表(パナソニック)のSH田中史朗が所属するハイランダーズと、レギュラーシーズン1位通過のハリケーンズが勝って決勝進出を決めた。頂上決戦は、ともに初優勝を狙うニュージーランドチーム同士の対決となる。
前王者ワラターズの本拠地シドニー(オーストラリア)に乗り込んだハイランダーズは、35-17で快勝し、16年ぶり2回目のファイナル進出だ。
先にトライを取られたものの、前半18分、ハイランダーズは敵陣深くでの相手ボールスクラムにプレッシャーをかけ、ワラターズNO8ウィクリフ・パールーが出した球をSHアーロン・スミスがインターセプトしてゴールに持ち込み、流れを変えた。
32分には相手のラインアウトミスからチャンス到来。敵陣10メートルライン中央付近でボールを手にしたCTBリチャード・バックマンがディフェンダーをかいくぐり、起き上がって、そのままゴールへ走り切り、トライを挙げた。
対するワラターズはPG3本成功で食らいつき、15-14で折り返した。
後半に入り、ワラターズSOバーナード・フォーリーのブーツで逆転されたハイランダーズだったが、52分(後半12分)、右WTBワイサケ・ナホロがキックでインゴールに転がしたボールを自ら押さえ、再びゲームをひっくり返す。
さらに、アグレッシブなハイランダーズは57分、ゴール前のPKから攻めて、ペナルティトライを獲得。突っ込んでトライラインに迫ったWTBパトリック・オズボーンはグラウンディングできなかったが、レフェリーは、ワラターズFLジャック・ポトヒエッターの危険なタックルがなければトライだったと判定した。
ワラターズがラインアウト失敗を重ねてリズムを狂わせた一方で、ハイランダーズは74分にSOリマ・ソポアンガがドロップゴール、78分にはWTBオズボーンがダメ押しトライを決め、歓喜の瞬間を迎えた。
田中は試合終了直前にグラウンドに足を踏み入れ、一週間後の大一番を前にプレーオフの雰囲気を味わった。
一方、今季ワラターズに加入し、スーパーラグビーに初挑戦した日本代表(サントリー)の松島幸太朗だったが、オーストラリア代表がそろうバックスの層は厚く、デビューできないままシーズンを終えた。
ハイランダーズと同じく悲願達成に燃えるハリケーンズは、リーグ総合6位から勝ち上がってきたブランビーズ(オーストラリア)をホームのウェリントンに迎え、29-9で退けた。
WTBネヘ・ミルナースカッダー、FLアーディー・サヴェア、CTBのコンラッド・スミス、マア・ノヌーらが、序盤から立て続けに満員のスタジアムを沸かせたものの、なかなか得点できなかったハリケーンズ。しかし、辛抱強く攻め続け、前半20分、オールブラックスのパワフルWTBでもあるジュリアン・サヴェアがインゴール左隅に飛び込み、先制した。
ボールをキープし続けたハリケーンズは27分、右サイドをクイックでつなぎ、SHのTJ・ペレナラがトライを決めてリードを拡大。
12-3で迎えた後半もハリケーンズペースは変わらず、42分、ゴール前ラインアウトからモールで一気に押し込み追加点を挙げた。
ブランビーズは相手の堅守を崩せず、得点はPGのみ。
ハリケーンズは73分にもトライを挙げ、快勝で、9年ぶり2回目の決勝進出となった。
初めて栄冠を手にするのはハリケーンズか、それともハイランダーズか。決勝は7月4日、ウェリントンのウエストパック・スタジアムでおこなわれる。
(Photo: Getty Images)