国内 2015.06.28

高3で日本代表の練習生となった明大・梶村、ジャパン入りのために「メモ」を

高3で日本代表の練習生となった明大・梶村、ジャパン入りのために「メモ」を

U20日本代表でプレーする梶村祐介(Photo: MIKE HARPER)

 明大2年のCTB梶村祐介は、現状には満足していない。

 6月に20歳以下(U20)日本代表として、世代間の世界一を目指すワールドラグビーU20チャンピオンシップに出場(イタリア)。15日にU20サモア代表を29-12で下し、10位にランクインして下部大会への降格は免れた。競技力向上に必要な若年層における高いレベルでの真剣勝負の場は担保され、最低限のミッションはクリアした趣きもある。しかし、その大一番で全5試合に先発したCTB梶村は、知人にこんなメッセージを送った。

「たった1勝しかできませんでした。悔いが残る遠征でもありました」

 兵庫・報徳学園高3年時、日本代表の練習生となって話題を集めた。昨年3月に左肩を脱臼して夏場までラグビーを離れたが、復帰後は明大のレギュラー争いに加わっている。身長180センチ、体重95キロ。突破力、ハンドリングスキルに長けたCTBとして、フル代表入りへの意欲を公言してはばからない。冬に日本代表のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)を取り上げたドキュメンタリーを観て、その思いを再認識したという。

「トップ選手がきつい環境で高い意識を持ってやっている。そこに魅せられた。また、エディーさんの練習に出たいと思いました」

 現実は甘くない。ジョーンズHCも「(代表に)入りたいと言ってくれるのは嬉しい。ただ、ボールを持っていない時の動きが…」とあえて苦言を呈している。

 ただ、そんななかでもCTB梶村は、意欲を行動で示す。昨季のU20日本代表ヘッドコーチでもある沢木敬介・日本代表コーチングコーディネーターのすすめで、大学ノートを持ち歩くようになった。ラグビーに関する事柄を記入するためだ。今回のU20日本代表の候補合宿でも、腰痛で練習を休んだ折は終始ペンを走らせていた。

「ミスを恐れない。ミスをしないことを成長の証だと勘違いしがちですけど、練習ではミスを恐れず積極的にチャレンジしたい」

(文:向風見也)

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