国内
2015.02.18
箕内拓郎、33年の現役生活終える。「コンタクトスポーツはもうできない」
引退する箕内拓郎(写真左)。吉岡宏樹主将から花束が贈られた(撮影:松村真行)
NTTドコモレッドハリケーンズの箕内拓郎(39歳)が現役引退を表明した。2月17日、クラブハウスにて記者会見を行い、「33年の現役生活を終え、引退することにしました」と話した。ただ、決断の理由は体力の限界というよりも、ドクターストップがきっかけになった。シーズン開幕前に目を負傷。診断によれば水晶体の亜脱臼で、「コンタクトスポーツはもうできない」ということだった。前年にも逆の目を同じように負傷していて、現在は水晶体を取り除いて、人工のレンズが入っているという。
これまで関東学院大で大学選手権初優勝を成し遂げ、NECでも日本選手権を制覇。そして、同様にチャレンジする魅力を感じてNTTドコモに加入すると、入替戦を制してトップリーグ入りの原動力にもなった。そして、今季はこれまでで一番の内容でシーズンを終えただけに、「ドコモに来て、過去最高のシーズンを送れた」と振り返った。出番はなかったが、選手に近い立場で練習を支えてきた。その延長線上となるFWコーチ就任の要請を快諾して、新たな一歩へ進む。
「もっと上に行けるチーム。なんとかお手伝いして、時間はかかるかもしれないが、自分自身も指導者として信頼されるようになれれば」と第2の人生への決意も話している。
会見場後方には現役の選手たちが見守った。怪我の真実を聞いて、選手たちは偉大なレジェンドの生き様を再確認させられた。そして、このチームのために力を尽くすと話した言葉は、選手たちに響いたはず。さらに、チームの歴史が動くような気がした。
(文:福田達)
会見後、グラウンドで現役選手たちと(撮影:松村真行)