コカ・コーラＢＫカミンズにＷ杯の夢再び　フォース復帰決定！

　コカ・コーラレッドスパークス所属のWTB/CTBニック・カミンズ（27歳）に、2015年ラグビーワールドカップ出場のチャンスが出てきた。古巣のウェスタン・フォースが23日、来季スーパーラグビーのスコッドにカミンズが加わると正式発表。現在、オーストラリアラグビー協会は基本的に、国内で活動していない選手は代表チームに招集しないが、カミンズは母国ラグビー界に復帰することにより、ワールドカップイヤーに再びワラビーズ（オーストラリア代表）の選考対象となる。

　2008年から2014年にかけてスーパーラグビー74試合に出場し、オーストラリア代表としても15キャップを持つ。愛称はハニー・バジャー。風貌や勇敢なプレースタイルは、世界で最も怖いもの知らずな動物といわれるミツアナグマのようだと名づけられた。今季日本シーズンが終了したあと、フォースに合流する予定だ。

　絶頂期に日本行きを決断した背景には、父や弟、妹など病を抱える家族の存在があり、金銭面の好条件も必要だったといわれている。ひたむきな姿勢はレッドスパークスに加入しても変わらず、8月30日のトップリーグデビュー以来、連続出場で奮闘中だ。理解あるコカ・コーラからリリースを許可されたことで、カーリーヘアーのスピードスターが再びオーストラリアで暴れる。
　2015-2016シーズンのジャパンラグビートップリーグには戻ってくる予定。

　ワールドカップスコッド入りを目指すカミンズだが、ワラビーズバックラインのポジション獲得は容易ではない。トラブルメーカーのカートリー・ビールは更生してマイケル・チェイカ ヘッドコーチに再チャンスを与えられ、フィジー出身のパワフルアタッカーであるWTBヘンリー・スペイトはようやくオーストラリア代表の資格を得、11月の欧州遠征でデビューしたばかり。フランスでプレーしていたユーティリティBKのジェームズ・オコナーもレッズ加入が決まって代表復帰を目指している。
　だが、その激しい競争こそカミンズが望んでいたものだ。彼は今秋、世界の一流選手を集めて結成されるバーバリアンズに選出され、トゥイッケナムで母国オーストラリアの代表チームと対戦した。フォースのメディアリリースによれば、そのとき、心に火がついたのを感じたという。ワラビーズに再び挑戦できるチャンスをもらい、レッドスパークスとフォースに感謝しながら、燃え上がる気持ちを爆発させるつもりだ。

　2014年シーズンは上位争いに加わったフォースだが、2006年のスーパーラグビー参入以来、プレーオフ進出は一度もない。来季はパナソニックワイルドナイツに所属する日本代表WTBの山田章仁も加わることが決定しており、エキサイティングなシーズンになりそうだ。