国内 2013.10.26

トヨタ、土俵際で踏んばる。NEC下しグループA行き決める。

トヨタ、土俵際で踏んばる。NEC下しグループA行き決める。


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食らいつくトヨタ。CTB山内貴之などが粘り強いディフェンスで相手を止めた
(撮影:Toshiharu Yano)


 


 


 負ければグループB行きとなる一戦。トヨタ自動車ヴェルブリッツが渾身の戦いでNECグリーンロケッツをPG1本に抑え、23−3で快勝。グループAに滑り込んだ。



 キックオフ直後から、トヨタの前に出る勢いがNECを呑みこんだ。NECが自陣脱出で蹴ったキックをトヨタがチャージ。続くゴール前スクラムでNECが落球。「致命的だった」とグレッグ・クーパーヘッドコーチが嘆いたトヨタのトライは、この後のスクラムが起点となった。NO8菊谷がサイドをつきフェイズを重ねた後、SH滑川がインゴールにショートパント。NECナドロと競り合ったWTB彦坂匡が抑えた。SOマッキンタイアーのコンバージョンが決まり7−0。その後、NECがPGで得点する40分までスコアボードは動かなかった。雨が降って足場が悪く、互いにキック主体の攻撃、NECに流れが来た時間帯も短くはなかったが、ラインアウトが安定せず攻撃の起点を作り出せなかった。



 後半も、トヨタがわずかなチャンスを活かしてLOトーマス優がトライ、マッキンタイアーが2PGを追加して、NECをノートライに抑えた。
 トヨタは第2節でサントリーに完敗、第4節でもNTTコムに競り負け、もう1敗もできなくなってからの3連勝。「崖っぷちになってからチームが一つになった」(NO8菊谷)。
「序盤は攻撃時間が少なかった。いかにボールを保持するか考えて、セットプレーを向上させトヨタらしいアタックが出来るようになった」と廣瀬監督。NEC戦ではスクラムが安定、ラインアウトも相手ボールをしばしば獲得するなど、「FWのトヨタ」復活の気配を感じさせた。トヨタFLカイノは今季初めて80分間出場。195センチの相手WTBナドロを腕力で引き倒すなど、攻守両面でワールドカップ優勝メンバーの凄みを見せつけた。
 これで上位グループに進めるプールAの残り枠は「1」。27日の神戸製鋼対NTTコムの勝者が進む。


(文・森本優子)


 


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後半に貴重なトライをあげたトヨタのLOトーマス優デーリックデニイ(右)と喜ぶ仲間たち
(撮影:Toshiharu Yano)


 

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