【PNC現地リポート】 復活期するリーチ 「クビ覚悟」でフィジー戦へ
31日に試合会場チャーチルパークで行われた前日練習で調整する日本代表FLリーチ
(撮影:出村謙知)
すでにSRキャッパーとなったSH田中史朗(ハイランダーズ)、HO堀江翔太(レベルズ)よりひと足早く、チーフス所属のFLマイケル・リーチが“第3の故郷”フィジーでジャパンに合流。
いきなり6月1日、ラウトカ・チャーチルパークで行われるフィジー戦でオープンサイドFLとして先発する。
日本のシーズン終盤に骨折した左腕が万全ではないことも影響して、いまだスーパーラグビ―ではプレーしていないが、本人曰く「コーチからは代表から戻ってきたら『先発で使いたい』と言われている」とも。
6月28日まではテストマッチを優先するスケジュールでチーフスの試合はないものの、その間もチーフスにとどまって練習を重ねた方がSR出場が近づくのは間違いないところだが、日本代表としての活動を優先したかっこうだ。
母親の出身地であるフィジーでの試合もそうだが、特にターゲットにしているのが1週間後に控えるウェールズ戦。
「ウェールズ戦でしっかりスタメンで出たいので、無理してでもフィジー戦に出ることを選んだ。この試合で自分が使えないようだったらジャパンをクビになることは覚悟している」
5月にチーフスのフランチャイズであるハミルトンのクラブチーム(ハミルトン・オールド・ボーイズ)で3試合に出場したが、まだ左腕は万全ではない。
29日にナンディで行われた日本代表のチーム練習では、骨折箇所を強打してうずくまり、そのまま病院に直行。検査の結果、大事には至らなかったものの、まだ完全には骨はくっついていない。フィジー戦もギブスをつけた状態でプレーすることになる。
「本当はもう少し待った方がいいかもしれないけど、ノーチョイス。ジャパンは全員がでかくなって、フィットネスも上がっている。ヘンドリック(ツイ)、マイティ(ブロードハースト)、キクさん。3列のみんなもすごく調子がいいけど、自分も負けていられない。フィジー戦はスタートがポイントだと思うし、最初からアタックもDFもガンガン行く」
ジョーンズHCからは「全然よくない。遅いし、今までなにやってきたの」と言われているというリーチ。
再度、左腕を痛めるリスクを負いながらも、「ボールを持っている時はフィジアンになる」というゆかりの地で、エディージャパンでの存在意義を証明する。
(文・出村謙知)