国内 2013.04.29

サニックスワールドユース開幕 ヒガシ、茗溪など黒星発進も熱闘!

サニックスワールドユース開幕 ヒガシ、茗溪など黒星発進も熱闘!


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(フランスのチームに後半追い上げられた佐賀工だったが、FWが奮闘し、接戦をものにした)


 


 


 毎年ゴールデンウィーク期間に福岡で開催される高校ラグビーの祭典、「サニックス ワールドラグビーユース交流大会」が28日に開幕した。第14回大会となった今年は、ロシアの代表が初参加。世界8カ国の強豪チームと国内トップレベルの8校、計16チームが4組に分かれて総当たり戦を行い、大会後半に順位決定トーナメントを実施する。熱戦は5月5日まで続く予定だ。



 オープニングゲームでは地元の東福岡高校が登場し、オーストラリアのセント ジョセフス ナッジー カレッジと対戦。前半5分に、パントキックの処理を相手がミスしたところ、CTB鹿尾貫太がすかさず飛び込んで先制した東福岡だったが、わずかなギャップを逃さない眼力と瞬発力を持つハーフバックスに何度も中央突破を許し、計4トライを奪われて10−31で逆転負け。
 藤田雄一郎監督は、「今大会ではディフェンスを重視しているので、
このゲームに関しては、どれだけ前に出られるかがカギでした。タックルには行っているんだけど、弾かれていた。アタックに関しては、後半の立ち上がりはよく、FWがゴール前に迫ったが、トライを取れなかったのはまだパワー不足ということ。日本人相手やったら取れてるかもしれないですけどね。BKはチャンスを作れたので、次戦以降はとにかくBKにボールを回して動かしたい。この試合は負けましたけど、挑んでいった姿勢は収穫です」と手応えを口にした。



 昨年度の全国高校大会で23年ぶりにベスト4に進出した茗溪学園(茨城)。今年度のチームはやや小柄だが、2年連続の花園ベスト4を目指しており、今大会での奮闘が期待される。しかし初戦は、優勝候補筆頭のセント ケンティガン カレッジ(ニュージーランド)に0−67と完敗
 相手の下半身へ、勇敢に、粘り強くタックルを繰り返したが、2、3
年後にはスーパーラグビーで光を浴びそうな快足の大型CTBや、リッチー・マコウをほうふつとさせるハードワーカーのオープンサイドFLなどに暴れられ、計11トライを許した。
 それでも、茗溪学園の高橋健監督は手強い相手から学ぶことは多かっ
たようで、意外にサバサバとしていた。
「前半序盤5分間のようなテンポを続けられれば、いつかは穴は開くと
思ったんですけど、まず相手のディフェンスに穴が開かない(苦笑)。組織的なディフェンスに対し、ブロックしてるんで、ラックになったらもう捨ててきて、近いところに差し込むか、あとは走って稼ぐしかないというやり方でいったんですけど、いくら走って稼ごうと思っても穴が開かない。レベルの違いを感じました。そこで捕まれて逆に攻められたり、こちらのエラーに対する相手のカウンターは凄まじかった。あの足の速さはどうにもならなかったですね。しかし、去年のチームに比べて体が小さいのでパワーで負ける部分はありますが、今日はビビらずに勇気を持って試合ができたので、この部分を褒めて、伸ばしてあげて、12月の全国大会に向けていきたいなと思っています」


 


 2012年のロシア選手権を制し、サニックスワールドユースで記念すべきデビューを果たしたエニセイ−STMは、東海大仰星(大阪)に挑み、敗れはしたものの、2トライを挙げて12−41と健闘した。
 アルチョーム・チュプロフHC(ヘッドコーチ)は開口一番、「感動的
な試合だった」と両チームの選手を称えた。
「ウチの選手たちは、だいたい10歳くらいからラグビーを始めている。
ハンサムな顔立ちだけでなく、パワーと速さにも自信を持っていたが、日本のチーム(東海大仰星)はそれ以上で、力があり、動きもすばやくて驚いた。でも、我々が万全な状態だったら、もう少し点差を縮めることができたかもしれない。福岡には(大会2日前の)26日に到着したが、経由地の北京で長いこと待たされて、選手は長旅の疲れがまだ残っているようだ。しっかり反省して、次にはもっといい結果を出したい。日本や世界の強豪と多くの試合をさせてもらうことになり、感謝している。異文化を体験して、交流できるのも楽しみだ」



 そのほかの試合では、佐賀工がFWの強さを武器に20−12でリセ A.R. レサージ(フランス)に勝利。國學院久我山(東京)は47−0でぺクシン ハイスクール(韓国)を圧倒し、長崎南山も52−17でアール マリオット セカンダリー スクール(カナダ)を下して好スタートを切った。
 しかし、第92回全国高校ラグビー大会チャンピオンの常翔学園(大阪)は、昨年のU18イングランド大会を制しているハートプリー カレッジに0−41と完敗。大型選手揃いで、個々の強さとスピード、巧さも兼ね備えるイングランドチームは、計7トライを奪った。
 花園準優勝チームである御所実(奈良)は、南アフリカのダニエル ピナール テクニカル ハイスクールと対戦。前半はFWが勇敢にファイトし、日本協会のセブンズアカデミーに名を連ねるFB竹山晃暉が快足を飛ばして12−12で折り返したものの、2012年南アTOP20ランキングで11位のチームが底力を発揮して後半だけで4トライを奪い、12−36で敗れた。



 大会2日目の29日も、予選プールの8試合が行われる。



<サニックス 2013 ワールドラグビーユース交流大会/大会1日目結果>


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