サニックスワールドユース開幕 ヒガシ、茗溪など黒星発進も熱闘!
(フランスのチームに後半追い上げられた佐賀工だったが、FWが奮闘し、接戦をものにした)
毎年ゴールデンウィーク期間に福岡で開催される高校ラグビーの祭典、「サニックス ワールドラグビーユース交流大会」が28日に開幕した。第14回大会となった今年は、ロシアの代表が初参加。世界8カ国の強豪チームと国内トップレベルの8校、計16チームが4組に分かれて総当たり戦を行い、大会後半に順位決定トーナメントを実施する。熱戦は5月5日まで続く予定だ。
オープニングゲームでは地元の東福岡高校が登場し、オーストラリアのセント ジョセフス ナッジー カレッジと対戦。前半5分に、パントキックの処理を相手がミスしたところ、CTB鹿尾貫太がすかさず飛び込んで先制した東福岡だったが、わずかなギャップを逃さない眼力と瞬発力を持つハーフバックスに何度も中央突破を許し、計4トライを奪われて10−31で逆転負け。
藤田雄一郎監督は、「今大会ではディフェンスを重視しているので、このゲームに関しては、どれだけ前に出られるかがカギでした。タックルには行っているんだけど、弾かれていた。アタックに関しては、後半の立ち上がりはよく、FWがゴール前に迫ったが、トライを取れなかったのはまだパワー不足ということ。日本人相手やったら取れてるかもしれないですけどね。BKはチャンスを作れたので、次戦以降はとにかくBKにボールを回して動かしたい。この試合は負けましたけど、挑んでいった姿勢は収穫です」と手応えを口にした。
昨年度の全国高校大会で23年ぶりにベスト4に進出した茗溪学園(茨城)。今年度のチームはやや小柄だが、2年連続の花園ベスト4を目指しており、今大会での奮闘が期待される。しかし初戦は、優勝候補筆頭のセント ケンティガン カレッジ(ニュージーランド)に0−67と完敗。
相手の下半身へ、勇敢に、粘り強くタックルを繰り返したが、2、3年後にはスーパーラグビーで光を浴びそうな快足の大型CTBや、リッチー・マコウをほうふつとさせるハードワーカーのオープンサイドFLなどに暴れられ、計11トライを許した。
それでも、茗溪学園の高橋健監督は手強い相手から学ぶことは多かったようで、意外にサバサバとしていた。
「前半序盤5分間のようなテンポを続けられれば、いつかは穴は開くと思ったんですけど、まず相手のディフェンスに穴が開かない(苦笑)。組織的なディフェンスに対し、ブロックしてるんで、ラックになったらもう捨ててきて、近いところに差し込むか、あとは走って稼ぐしかないというやり方でいったんですけど、いくら走って稼ごうと思っても穴が開かない。レベルの違いを感じました。そこで捕まれて逆に攻められたり、こちらのエラーに対する相手のカウンターは凄まじかった。あの足の速さはどうにもならなかったですね。しかし、去年のチームに比べて体が小さいのでパワーで負ける部分はありますが、今日はビビらずに勇気を持って試合ができたので、この部分を褒めて、伸ばしてあげて、12月の全国大会に向けていきたいなと思っています」
2012年のロシア選手権を制し、サニックスワールドユースで記念すべきデビューを果たしたエニセイ−STMは、東海大仰星(大阪)に挑み、敗れはしたものの、2トライを挙げて12−41と健闘した。
アルチョーム・チュプロフHC(ヘッドコーチ)は開口一番、「感動的な試合だった」と両チームの選手を称えた。
「ウチの選手たちは、だいたい10歳くらいからラグビーを始めている。ハンサムな顔立ちだけでなく、パワーと速さにも自信を持っていたが、日本のチーム(東海大仰星)はそれ以上で、力があり、動きもすばやくて驚いた。でも、我々が万全な状態だったら、もう少し点差を縮めることができたかもしれない。福岡には(大会2日前の)26日に到着したが、経由地の北京で長いこと待たされて、選手は長旅の疲れがまだ残っているようだ。しっかり反省して、次にはもっといい結果を出したい。日本や世界の強豪と多くの試合をさせてもらうことになり、感謝している。異文化を体験して、交流できるのも楽しみだ」
そのほかの試合では、佐賀工がFWの強さを武器に20−12でリセ A.R. レサージ(フランス)に勝利。國學院久我山(東京)は47−0でぺクシン ハイスクール(韓国)を圧倒し、長崎南山も52−17でアール マリオット セカンダリー スクール(カナダ)を下して好スタートを切った。
しかし、第92回全国高校ラグビー大会チャンピオンの常翔学園(大阪)は、昨年のU18イングランド大会を制しているハートプリー カレッジに0−41と完敗。大型選手揃いで、個々の強さとスピード、巧さも兼ね備えるイングランドチームは、計7トライを奪った。
花園準優勝チームである御所実(奈良)は、南アフリカのダニエル ピナール テクニカル ハイスクールと対戦。前半はFWが勇敢にファイトし、日本協会のセブンズアカデミーに名を連ねるFB竹山晃暉が快足を飛ばして12−12で折り返したものの、2012年南アTOP20ランキングで11位のチームが底力を発揮して後半だけで4トライを奪い、12−36で敗れた。
大会2日目の29日も、予選プールの8試合が行われる。
<サニックス 2013 ワールドラグビーユース交流大会/大会1日目結果>