国内 2013.04.29

谷崎新体制で注目の法政大 10トライの猛攻で初陣勝利

谷崎新体制で注目の法政大 10トライの猛攻で初陣勝利


moriya


攻守に傑出した存在感を示した法政FB森谷
(写真:直江光信)


 



 東福岡高で花園3連覇を達成した谷崎重幸氏が新監督に就任したことで注目を集める法政大は4月28日、関東大学春季大会の初戦で中央大と対戦し、66−31で大勝して谷崎新体制での初陣を勝利で飾った。
 事情によりこの日は谷崎監督が不在の法政だったが、新体制発足からわずか1か月足らずでチームが大きく変貌しつつあることを感じさせる見事な戦いぶりを披露した。開始早々にゴール前ラインアウトからFWがなだれ込んで先制トライを挙げると、その後も持ち味である早いテンポの連続攻撃から相手防御を崩し、次々にゴールラインを越える。MVP級の働きを見せたFB森谷直貴を筆頭に、半井優太、今橋昇大の両WTBの活躍で前半は35−3とリード。後半もSO加藤俊介のスピーディーな仕掛けから狙い通りにボールを動かしてスコアを重ね、計10トライを奪って中大を一蹴した。
 試合後、多くの選手は「(谷崎監督になっての初戦ということは)特に意識しなかった」と語ったが、指導体制が変わっての第1戦をいい内容で快勝したことは、チームにとって大きな自信になるだろう。「ディフェンスでトライを取られすぎたのは課題。ただこの春やってきた体作りと基礎プレーは出せた。谷崎監督になって期待もされていると思うし、その期待に応えられるようにがんばります」とは、ゲームキャプテンを務めたSH中村清伸。
 高校時代に輝かしい実績を残しながら大学ではいまひとつ力を発揮しきれなかった選手たちが地力を示し、大物ルーキーのLO牧野内翔馬も高い身体能力を生かして攻守に活躍するなど、個々の選手の見せ場も多かった。無論まだ初戦に勝利しただけであり、後半簡単にトライを許すなど克服すべき課題は多いが、少なくともここ数シーズンでは1番のスタートを切ったことは間違いない。FW、BKとも大学トップクラスの逸材が揃っているだけに、このまま勢いに乗れば今季の大学ラグビーに旋風を巻き起こす可能性は十分。今後、注目の存在となりそうだ。


(文・直江光信)


 

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