コラム 2012.09.07

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ  2013オーストラリア遠征

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ
 2013オーストラリア遠征

 ウォーレン・ガットランド氏が指揮官に任命されて、早くも盛り上がりを見せてきた「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」。4年に一度、イングランド、スコットランド、ウエールズ、アイルランドのスターたちによって結成されるこのドリームチームが、次に雄姿を見せてくれるのは2013年6月です。香港で世界選抜バーバリアンズと対戦したあと、オーストラリアでワラビーズ(豪州代表)などとも激突、計10試合を行います。
 9カ月も先の話ですが、ガットランド氏は就任早々、レフリーにも影響を及ぼすほど発
言力が強いといわれるオーストラリア・ラグビー協会の策士、ジョン・オニールCEOを挑発するような発言をしており、心理戦が始まっています。



 1888年の豪州・NZ遠征をライオンズの起源とすれば、2013年は125周年ということにな
ります。
 ウエールズ協会創立75周年やフランス革命100周年を記念してカーディフやパリで試合
を行い、アルゼンチンやカナダ、フィジーなどとも対戦の歴史があるライオンズですが、基本的には、ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリアへ順次遠征することは周知のとおりです。
 2009年は南アフリカ代表相手に1勝2敗で負け越し。2005年はニュージーランド代表に
3戦全敗、マオリ代表にも初めて敗れました。2001年もオーストラリア代表に1勝2敗と苦汁を飲まされており、勝ち越しの記憶は1997年の南アフリカ遠征までさかのぼります。それでも、今回のメインターゲットであるワラビーズ相手には、15勝5敗(1899年と1904年の非公式試合を含む)とライオンズが大きく上回っており、ファンの期待も高まっていることでしょう。ガットランドHCはすでに、フランスのクラブでプレーする候補者たちをチェックしに行っており、ドリームチームの結成準備は着々と動いています。



 イギリスの『ザ・デイリー・テレグラフ』紙によれば、2013香港・豪州遠征でライオン
ズ選手が受け取る基本給は、4万5000ポンド(約565万円)。全10試合に勝てば、6万7000ポンド(約842万円)に増えるそうです。ちなみに、2005年のギャラは2万2000ポンド、2009年は3万8000ポンドだったとか。今回はおそらく、35〜40人がスコッド入りするはずですから、最高総額は234万ポンド(約3億円)を超えます。その他、ライオンズに選手を送り出す各協会は補償として、選手ひとりにつき5万ポンド受け取るそうですから、保険なども含めて、ツアー総費用の見積もりはなんと、1400万ポンド(約18億円)!
 しかしながら、スポンサー収入やテレビ放送権、チケット・グッズ販売などがありますから、ライオンズのCEOは楽観的だそうです。2001年の豪州遠征時には、英国やアイルランドから1万人のサポーターが現地へ飛んだ
との報告もありましたが、今回は約4万人のサポーターが旅行すると予測されています。
 ツアーの申し込みも始まっているようですし、ドリームマッチを生で観戦したい方は
、ぜひチェックしてみてください。



 



【YouTube動画】 ※ ライオンズのユニーク動画
http://www.youtube.com/watch?v=Qd9amiLqIyc


 


 


(写真:2013ライオンズを指揮するガットランド氏。NZ人だが、アイルランドや英国での指導歴は長い/撮影:BBM)

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