国内 2012.09.02

東芝×NTTコム ドッグファイトに対して上位チームは

東芝×NTTコム ドッグファイトに対して上位チームは

 昨季9位の新鋭NTTコムは後半25分、敵陣の22メートル線手前中央でスクラムを組む。相手が「故意に崩れ落ちる」意のコラプシングの反則を犯す。SO君島良夫がペナルティゴールを決め13−19に追い上げた。23分には16−19とした。昨季4強の東芝を相手に接戦を演じた。
 特に後半、自陣にくぎ付けになりつつ守りで粘る。向こう側のミスを誘った。スクラムも押した。後半25分は「(対面の)苦手を突いた」とPR斉藤展士。詳細は「あまり言いすぎると…」。戦いのなかで相手の崩れ落ちそうな組み方を分析、自分の体勢を微調整したようだ。
 結局は26−16で勝った東芝だが、「スクラム…。相手の土俵に立ってしまった」とPR浅原拓真が言えば、LO大野均はこう口にする。「こぼれ球に対する反応がNTTさんの方が一枚、上手。(自分たちも)そういうがむしゃらさを持たないと」。肉弾戦を制圧し真っ直ぐ、真っ直ぐ突き進むスタイルを志向するクラブだが、和田賢一監督は「やろうとしていることがブレていた」と反省。試合の流れが悪いなか、あえて先発メンバーを交代させなかった。それはこの人なりの静かな怒りか。


(文・向 風見也)


 

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