国内
2012.09.02
リコー×パナソニック 荒れ模様のなかの清涼剤
各チームに1人ずつ一時退場処分が下された。2012年9月1日。東京は秩父宮ラグビー場でのトップリーグ開幕節1試合目は荒れ模様だった。
13−44で負けた昨季7位のリコーは、「100%の力を出し切れなかった。ウチは出し切らないと勝てないのに」とWTB小松大祐。接点際での反則に対する考え方が、この日の松岡辰也レフリーよりアバウトだったとも反省した。大勝した昨季2位のパナソニック陣営も概ね不満足だ。ペナルティの多さと同時に、春から取り組むゲインラインを割る攻めがあまりできなかったからだ。
終盤、勝利側のWTB山田章仁が清涼剤となった。後半29分。敵陣22メートル線付近でパスの出し手に向かい鋭角に走り込み、守備網を簡潔に切り裂く。この日の自身2トライ目を決めた。曲芸的な動きが長所とされるため、一連の流れを「今までの僕にはない形」と笑って述懐した。
試合終了後、他選手らがメインスタンドの観客に挨拶してグラウンドを去るなか、バックスタンドのファンにサインを書いていた。記者団に囲まれれば、開幕前に漏れたアメフト挑戦に関する質問に答えること20分強。人を寄せ付ける27歳だ。
(文・向 風見也)