海外 2011.12.13

ロシア代表司令塔の新たな挑戦 次に目指すは南半球スーパーラグビー

ロシア代表司令塔の新たな挑戦 次に目指すは南半球スーパーラグビー

 2011年に初めてワールドカップ出場を果たし、ラグビー王国の民から健闘を称えられたロシア代表(べアーズ)だが、47キャップを持つ司令塔ユーリー・クシュナレフはさらなる飛躍を誓い、次の夢舞台を南半球スーパーラグビーに定めたようだ。
 9月15日のアメリカ戦で、ロシア人初のワールドカップ得点者となった26歳は現
在、オーストラリアのメルボルン・レベルズに加わり、来年2月24日開幕のスーパーラグビー出場を目指す選手たちと一緒にトレーニングに励んでいる。チームにはオーストラリア出身のロシア代表LOアダム・バーンズが所属しているため、そのコネクションから練習参加の誘いがあり、夢への第一歩を踏み出した。
 2010年に創立されたばかりのレベルズは、オーストラリアで5番目に誕生したスーパーラグビーチームであり、まだ選手層が薄いため、外国人の獲得は10名まで認められている(他チームは2名まで)。しかし、クシュナレフが狙うSOのポジションには、元イングランド代表ダニー・シプリアーニのほかに、新しく加わったオーストラリア代表の万能BK2人組、ジェームズ・オコナーとカートリー・ビールというトップスターがおり、ベンチ入りすら容易ではないのが現実だ。それでも世界的一流選手たちのそばで学ぶことは多く、『ザ・シドニー・モーニング・ヘラルド』紙によれば、例えスーパーラグビーのスコッド入りがすぐには実現しなくても、オーストラリアに残り、アマチュアクラブで磨きをかけて、世界最高峰のアタッキングラグビーと評される「スーパーラグビー」出場を目指すという。現在はバーンズ宅に居候しているが、プロ契約を結ぶことができれば、家族もオーストラリアに呼び寄せるつもりだとか。
 バーンズが架け橋となり、ロシア人ラグビー選手に開かれた新たな夢への扉。母国は2013年のセブンズ・ワールドカップに続き、2023年には15人制ワールドカップでも開催国になろうと野心を燃やしている。クシュナレフの挑戦が実を結べば、第2、第3の勇敢なべアーズが南半球を目指すのは確実で、ラグビー強国への変貌という夢物語もまた、少しずつ現実味を帯びていく。


 

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