「うちのええゲームをして勝つ」。京産大、大学選手権準決勝を突破して歴史を変える
2シーズン連続で1月2日を国立競技場で過ごす。
関西大学リーグを制し(2連覇)、12月25日に全国大学選手権の準々決勝で慶大に競り勝った京都産業大学(以下、京産大)だ。
ファイナリストの座を懸けて早大と準決勝を戦う。
12月31日に報道陣の取材を受けた廣瀬佳司監督は、「うちのええゲームをして勝ちたい」と話した。
「フォワードで前に出て、運動量で上回り、粘り強く戦って最後に勝つ」
昨シーズン、15季ぶりに4強に入った経験者もメンバーに多く残っている。
1年前より落ち着いて、戦いの舞台に乗り込む。
早大とは過去の大学選手権で11回対戦し、2勝9敗と大きく負け越している。
しかし、赤黒を下した1993年度大会(22-21)と1997年度大会(69-18)のうち、前者の勝利の試合には廣瀬監督も出場していた(当時2年生。SOで出場)。
そんな思い出がある一方で、トヨタ自動車時代の2006年には、日本選手権で対戦して負けた(24-28)。
「早稲田は伝統があり、ゆさぶりなどうまい。独特の雰囲気を持っているチームだと思っています」
今夏、菅平での夏合宿中におこなわれた練習試合では22-40と敗れた。
最初の20分は自分たちのスタイルで戦いリードした。
しかし、やがてスクラムで劣勢に回りゲームコントロールを失う。
「ラインアウトも取れなくなり、プレゼントキックもあった。結果、振り回されて失点しました」
苦い記憶。
ただ、チームはその試合で出た課題を修正して関西リーグに挑み、24年ぶりの関西連覇を実現した。
指揮官は、「夏に一度戦っておいてよかった。(準決勝は京産大が)どれだけ成長できたか分かる試合」と話す。
セットプレーも進化した。
ボールのキープ力もディフェンスも。
選手層の厚みが増した手応えもある。
準々決勝を部史上初の慶大戦勝利で突破した。34-33と接戦を突破したことも大きい。
廣瀬監督は、「慶應戦では歴史を作った。準決勝でも新たな歴史を作ろうと、それもモチベーションになっています」と話す。
チームにとっては今回が9回目の準決勝進出も、その先に進めたことは、まだない。
新たな扉を開きたい。
早大の巧者ぶりを警戒する同監督は、HO佐藤健次、NO8村田陣悟、HB団、CTB吉村紘らをマークしていると話し、特にWTB槇瑛人を自由にさせてはいけないとした。
「インディビジュアルな力でトライができる選手」
粘り強く戦う相手を後退させることも勝利の鍵となる。
チームにモメンタムを作る存在として、LOアサエリ・ラウシーに期待する。背番号5が前に出るとチームが前に出る。
FL三木皓正は、ディフェンス時に仲間を前へ、前へと牽引する存在だ。
「前に出て体をぶつける。その意識がチーム全体に伝わる」(廣瀬監督)
昨年の準決勝では優勝した帝京大を苦しめた。
前半は23-10。後半30分過ぎまでリードした。
32分に同点に追いつかれ、38分に逆転を許して惜敗した(30-37)。
国立競技場に足を運んだファンを沸かせた戦いをもう一度。
ちょうど1年前の試合を超えるパフォーマンスを出し、1965年創部のクラブに新たな歴史を刻みたい。