女子日本代表が豪バーバリアンズを下してツアー2連勝 突然のメンバー変更も全員でカバー
5か月後のラグビーワールドカップ(女子大会)へ向け、強化を目的にオーストラリアへ遠征中の女子日本代表“サクラフィフティーン”は5月6日、ブリスベンのウエスツブルドッグス・ラグビーメモリアルパークでオーストラリアンバーバリアンズと対戦し、24-10で勝った。ツアー初戦では女子フィジー代表とのテストマッチを制しており、これで2連勝となった。
ゲームキャプテンを務めたフランカーの鈴木実沙紀は、「キツイ時間帯にどういうふうにフィジカルで耐えられるか、そして得点までつなげられるか、ということにフォーカスして臨んだ。前半早々、キツイ時間帯は続いたが、ファーストトライをすることができた。後半は向こうにトライを取られたが、私たちの強みと、スコッド全体で練習してきたことを出すことができて流れを取り返し、最終的に勝つことができた。私たちがやってきた細かいところが、スコッドとして、フィールドに立った全員で出せたんじゃないかなと思っている」と振り返った。
戦術的には、スペースを見つけてうまくボールを運び、敵陣に入ってプレッシャーをかけることを意識して臨んだ。チャレンジをしたうえでミスもあったが、全員でカバーしての勝利。
「いままで出場機会がなかった選手、初めてジャージーに袖を通した選手もいたが、一人ひとりがチャレンジしたいことをできたので、私たちにとって成長できるいい試合だったと思う」(鈴木実沙紀)
なお、遠征中の4月30日に新型コロナウイルス陽性と診断され隔離療養となった1名の選手に続き、5月5日には新たにレスリー・マッケンジー ヘッドコーチと選手3名から陽性反応が確認され、オーストラリアンバーバリアンズ戦は急きょ、メンバーを変更して臨んでいた。
女子日本代表のルイース・ダルグリーシュ アシスタントコーチは「さまざまなポジションをこなすなど選手一人ひとりがやるべきことをしてくれた。突然のメンバー変更もあったが、私たちには適応力が高い選手たちが揃っており、今日に限らず柔軟性を持って状況に対応することが選手たちに十分に落とし込めていると実感できた勝利となった」と収穫を口にした。
5月10日にはツアー最終戦として、ゴールドコーストにあるボンド大学で、世界ランキングが7つ上(5位)の女子オーストラリア代表“ワラルーズ”に挑む。
2017年のワールドカップでもワラルーズと対戦したことがある鈴木実沙紀は、「一つひとつ細かい部分にこだわっていけば勝機はあると思う。個人の仕事をしっかり全うし、チームとしても全員で勝ちにいきたい」とコメントした。