天理大40-0摂南大。天理大は無失点勝利も、指揮官「アタックの出来が良くなかった」。
前半38分まで0-0。
昨季王者の天理大がもたついた。
10月16日、天理親里競技場で関西大学Aリーグの試合が行われ、天理大が40-0で摂南大に勝った。無失点に抑える戦いぶりも、課題が残る試合だった。
天理大は序盤、敵陣でのターンオーバーからアタックを展開し、インゴールに入るもパイルアップでトライできず。そこからリズムを崩した。
「最初のチャンスで取り切れなかったところから、自分たちでプレッシャーを感じてしまいました。それからミスを重ねて自分たちのペースにできなかった」とHO佐藤康主将は振り返る。
天理大はその後、摂南大のCTBテビタ・タイやFBヴィリアミ・ツイドラキに突破を許し、約30分間、自陣に釘付けにされた。
その間、佐藤主将はFWだけでなく、BKにも何度も大声で鼓舞するなど、孤軍奮闘。「まだまだ流れが悪いところでチームに元気がない」と課題を口にする。
「雰囲気が悪い状態でどれだけみんなが声出してできるか、なので、試合中も練習中もいい声かけができれば」と続けた。
アタックでのミスと相手の激しいディフェンスで自陣を脱出できないこともあったが、粘り強いディフェンスで無失点に抑えると、前半39分、ついに均衡を破る。敵陣22㍍ライン内のスクラムでアドバンテージを得て、SO筒口允之がキック、右隅で待つWTBアントニオ・トゥイアキが抑えた。
摂南大にとってもったいなかったのはその直後。自陣でピンチを迎えたが、またもインゴール内で相手のグラウンディングを防ぐ。その後、CTB東将吾らが力強いドライブでゴール前から一気に敵陣まで持っていくも、最後は後逸。
天理大のFL鄭兆毅が反応し、キックで再びインゴールまで持っていった(認定トライ)。
12-0で迎えた後半は、天理大が本来の力を取り戻して4トライを追加。後半も失点を0に抑えた。それでも小松節夫監督は「アタックでミスが非常に多く、出来は良くなかった」と厳しい表情を浮かべた。
敗れた摂南大はFL 隈元添太主将を中心に、前節の関西学大戦でも見せた激しいディフェンスで抵抗したが、「最終的にはトライを取られてしまっている。ターンオーバーまでできるようにしたい」と反省する。
隈元主将はそれ以上に無得点で終わったことを悔やみ、「トライを取り切る力を突き詰めたい」と気を引き締めた。
瀬川智広監督は「次も上位チームと当たるので、もう一度自分たちが何をやらなければいけないか、を考えるのは先週以上に大事になる」と、次週の京産大戦にすぐさま照準を切り替えた。