33-21。ヤマハが復調の兆し。序盤の猛攻でNTTドコモを退ける。
年度が改まり、トップリーグ2021は第6節に突入。リーグ戦は佳境に入った。
4月3日、大阪の万博記念競技場でヤマハ発動機ジュビロとNTTドコモレッドハリケーンズが対戦。2連敗中のヤマハは序盤に猛攻を仕掛けて、今季好調のNTTドコモから33―21で逃げ切った。
ヤマハの堀川隆延監督がシーズン通して繰り返し語る「ヤマハスタイルの遂行」がようやく形に現れた。「前半の戦い方は非常に良かった」と堀川監督。
その言葉通り、ヤマハは開始5分からいきなり3連続トライを奪った。
まずはLOヘル ウヴェ。自陣でジャッカルを決めると、WTBマロ・ツイタマのゲインを経て、最後はLOヘル自らインゴールを割った。
続く12分。大戸裕矢主将いわく「クラウチ、バインドの時点でFW全員がいけると感じた」というスクラムでペナルティを奪い敵陣に入ると、SO清原祥のゴロパントにWTBシオネ・トゥイプロトゥが反応。うまく捕球してそのまま右隅へトライを決めた。
さらに14分はノーホイッスルトライ。この日再三ゲインラインを突破したNO8のクワッガ・スミスとLOマリー・ダグラスが前進すると、今度はFB五郎丸歩がラインブレイク。最後はCTB石塚弘章が好フォローで19―0と突き放した。
その後ドコモにラインアウトモールで1本返されるが、前半終了間際にモールでやり返して26―7で折り返した。
後半も立ち上がりはヤマハがスクラムから優位に立った。6分、ゴール前まで攻め上がるヤマハに対し、「プロになって初めて」のFBに入ったマカゾレ・マピンピがボールを叩いてしまう。これがインテンショナルノックオンの判定になり、ペナルティトライとなった(33―7)。
一方、この日最大の26点差をつけられたドコモだったが、ここから踏ん張りを見せる。
直後のキックオフでボールを確保すると、SHのTJ・ペレナラが横にスライドする動きからパスを放って、CTBサミソニ・トゥアがそのまま抜けた。
その2分後にはLOローレンス・エラスマス主将がラックサイドをブレイク→キック→チェイスで自陣からひとりでトライまで持っていった。
マピンピがシンビンで1人少ない状況の中、2トライを挙げて21-33まで追い上げた。
その後もドコモはゴール前まで攻め込むも、スコアは動かず。そのまま試合を終えた。
ドコモのヨハン・アッカーマンHCは「前半はコンタクトで相手にドミネートされて残念だったが、後半の働きぶりは誇らしいものだった」と評価した。
ドコモは前半のペナルティが響いた。ヤマハの2に対してドコモは7。
アッカーマンHCは開始早々のレフリングに苦言を呈するなど、不満げな様子だったが「自分たちにできることだけに目を向けて、コントロールできることを見直すしかない」と切り替えた。
エラスマス主将も「学びとして持って帰らないといけない。同じことを繰り返さないで、前半の最初からフルでやらないと」と次戦へつなげる考えだ。
対するヤマハは「後半の残りの30分は主導権がいくつか転がってきた中で、それを自分たちのミスで相手にプレゼントしてしまった。まだまだ改善が必要」と堀川監督。
双方に課題の残るゲームとなった。
最終節は4月10日に、ヤマハが熊谷でパナソニックと対戦。ドコモは花園で神戸製鋼を迎え撃つ。
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