国内 2021.01.05

緊急事態宣言検討で開催心配のラグビートップリーグ 太田チェアマン「なんとか成立させたい」

[ 編集部 ]
緊急事態宣言検討で開催心配のラグビートップリーグ 太田チェアマン「なんとか成立させたい」
トップリーグ2021へ向けて強い思いを語った太田治チェアマン


 新リーグに生まれ変わる前、最後となるジャパンラグビートップリーグは、2021年1月16日の開幕へ向けて準備が進められている。史上最多の25チームが参加する(セカンドステージからトップチャレンジリーグの上位チームが加わる)ことになっており、1月4日にはトップリーグ16チームのキャプテンが「キックオフカンファレンス」で意気込みなどを語った

 しかし、昨年から世界的な大問題となっている新型コロナウイルスが国内でも再び感染拡大していて、政府は今週中にも1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)を対象とした緊急事態宣言を発出する検討をしており、トップリーグは予定通りの開催が危ぶまれている。

 そんななか、太田治チェアマンがメディアの取材に対応した。

「政府の判断にしっかり対応できるような形で準備を進めていきたい。どういう状況になろうとも、しっかりと準備を進める。緊急事態宣言等が出た場合については、それに沿った形で粛々と進めていく」

 イベント開催の制限がどのレベルになるか、いまのところ不明だが、シミュレーションをしている状況だと太田チェアマンは語った。大規模イベント開催の自粛要請となれば、それに従い、その間は試合を開催できないということになる。

「基本的に、政府のイベント開催の方針に沿うということが大前提になる。そういったなかで判断していく」

 今週末に政府から発出されるとみられている緊急事態宣言は東京、埼玉、千葉、神奈川が対象だが、リーグの全体を止めるのか、該当地域の試合を止めるのか、また移動制限に関する影響については、「(緊急事態宣言が)出てみないと判断できない」と答えた。

 昨シーズンは6節で大会中止になったということもあり、太田チェアマンは「なんとかリーグを成立させたい。日本代表選手たちや、世界的な選手も多数参戦しており、レベルの高い試合をファンの皆様に見せたい」と思いを訴えた。

 現時点では、入場可能な観客数は試合会場のキャパシティの50%となっているが、無観客開催になる可能性もある。
 チケットは、第1節と第2節の試合については販売中で、開幕日の1月16日に国立競技場で開催予定の東芝ブレイブルーパス×NTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦については、2万枚近くが売れているという。

 2003年に始まったトップリーグはこれまで、24チームが参加、3009選手がプレーし、1574試合がおこなわれてきた。来年には新リーグとして生まれ変わるため、今年が最後のトップリーグとなる。

 太田チェアマンは、「今シーズンは新型コロナウイルス感染症という世界的未曾有の事態のなかでの開催となる。私どもはすべての方の安全を優先し、安心して試合がおこなわれるように、対応ガイドラインを作成して運営していく。感染対策を万全にして新たなシーズンに臨みたい」と話した。

 選手・スタッフ・関係者への安全対策としては、「日々の健康チェックと行動記録・PCR検査の実施」「入場前のスクリーニング、各所への消毒液の設置」「スタジアム内でのゾーニング」などをおこなう。PCR検査は2週間に一度の頻度で実施する予定で、費用はリーグ主催者が負担する。

 来場者への安全対策も、新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインの策定など、徹底しておこなうことを約束した。

 チームにPCR検査の陽性者や濃厚接触者が認められ、キックオフの48時間前までに試合登録メンバーの23名が確保できないとなった場合、チェアマンが中止にするかどうかを判断する。コロナの感染状況によって試合が中止になった場合は、引き分けと同様に、両チームに勝点2が与えられる。試合登録メンバー発表後に感染者が出た場合は、その都度判断するという。

 緊急事態宣言等が出たあと、改めて何らかの発表がある予定だ。

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