コロナ収束見えず、東京五輪へ不安募る。ワールドセブンズシリーズのNZ・豪州大会も中止
世界的に感染拡大している新型コロナウイルスの収束の目処が見えず、東京オリンピック前の大事なシーズンにワールドラグビーセブンズシリーズが開催できずにいる。年内に予定されていた開幕ラウンドのドバイ大会(UAE)とケープタウン大会(南アフリカ)に続き、2021年1月のハミルトン大会(ニュージーランド)とシドニー大会(オーストラリア)も中止が決まった。
主催者である国際統括団体のワールドラグビーは、選手、チーム、関係者、そしてより広範囲における市民の健康と安全を第一に考え、関係政府および保健機構のアドバイスに沿って中止を決定。新型コロナウイルスの状況を注意深く追いながら、来年4月に開催予定の香港大会とシンガポール大会の準備を進め再開を目指すというが、2021年夏に再設定した東京オリンピック自体が開催できるのか、不安が高まっている。
東京オリンピックでは7人制ラグビー(セブンズ)が実施されることになっており、開催国の日本を含め、男・女それぞれ12チームが出場予定。現時点で、男子11枠、女子は10枠が決定しており、残りの出場権は世界最終予選(日程未定)で争われる。
コロナの影響で各国の代表チームおよび候補選手たちは思うような準備ができていない状況だが、ワールドラグビーは東京オリンピックに向けた出場チームの準備の最適化を目指し、その国の協会向け専用に250万ドル(約2億6500万円)の資金を投入すると発表。国際オリンピック委員会が国際競技団体と国内オリンピック委員会へ支援金を拠出するというサポートに合わせてコミットしたもので、東京オリンピックに出場が決まっている国の加盟協会は、代表候補選手たちのトレーニング合宿や試合での支援、技術やスポーツ科学、また医学プログラムなどに活用できる支援金をワールドラグビーに申請することができる。
また、オリンピックで全力を発揮できるようにするための、ハイレベルな試合の機会を十分に与えられるよう、4大会が中止となったワールドセブンズシリーズ以外に、各地域などでの補足的な大会の開催についても検討されている。