コルビはブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦を選択 開催時期重なる東京五輪は断念へ
新型コロナウイルスの影響により、東京オリンピックとブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ南アフリカ遠征の時期が重なり、ワールドカップ日本大会で一躍スターとなったチェズリン・コルビは新たな目標にしていたふたつのビッグイベントのどちらを選ぶのか注目されていたが、15人制南アフリカ代表“スプリングボックス”の一員としてライオンズとの勝負に挑むことを表明した。世界的なラグビー専門サイト『Planet Rugby』のインタビューで気持ちを明らかにした。
コルビは15人制の代表に選ばれる前は7人制の国際舞台で活躍し、2016年リオオリンピックで銅メダルを獲得したメンバーのひとり。ワールドカップ優勝後には7人制ラグビーが正式競技となっている東京オリンピックへの強い意欲を公言していたが、2020年夏に予定されていたその夢舞台は、新型コロナウイルスの世界的大流行により1年延期が決まり、2021年7月から8月にかけて南アフリカへ遠征するブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのツアー時期と重なった。
ラグビーワールドカップ2019日本大会でスプリングボックスの右WTBを務め、決勝でもトライを挙げるなどして優勝に大きく貢献し、ワールドラグビーの年間最優秀選手賞にノミネートされたコルビは、現在26歳。イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの一流選手が集まって結成されるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは、4年ごとに南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドを順次遠征することになっていて、南半球強豪国の選手にとってはこのドリームチームと対戦できるチャンスは12年に一度しか巡ってこない。そのため、コルビにとっては年齢的に最初で最後のチャンスになる可能性が高く、東京オリンピックをあきらめライオンズとの対決を選んだ。
「難しい決断であり、東京オリンピックで自分の国を代表してプレーしたかったのですが、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのシリーズに参加することは私が本当に達成したい目標のひとつであり、12年に一度のことなので、その一員になりたいです。私にとっては来年が彼らと対戦する唯一のチャンスなので、間違いなくそのオプションを選びます」(Planet Rugbyより)
15人制と7人制の両方で期待されるスピードスターのコルビは、東京オリンピックは不参加となりそうだが、30歳で迎える2024年夏のパリ大会で再びオリンピックに挑戦できる可能性はある。
フランスのトゥールーズに所属するコルビは現在、帰国して故郷のケープタウンで家族と一緒に時間を過ごしており、新型コロナウイルスで生活が困った貧しい地域の人たちに食料を配るボランティア活動にも参加している。