注目集めるNZ×南アのヘビー級バトル 両指揮官は試合前から心理戦?
ラグビーワールドカップ2019初戦となる南アフリカ代表との対戦を2日後に控えた9月19日、ニュージーランド代表“オールブラックス”が滞在する東京都内のホテルで記者会見をおこなった。
初戦が近づいた最強軍団の記者会見。会場にはニュージーランドだけではなく、イングランドなどの第三国の記者も数多く駆けつけた。過去8大会のワールドカップでは、ニュージーランドが3大会、南アフリカが2大会で優勝。21日に両国の初戦としておこなわれるこの試合は、海外のメディアでは、「大会の行方を占う一戦」として大きな注目を浴びている。
こうした注目のなか、南アフリカのラシー・エラスマス ヘッドコーチは、「五分五分の微妙な判定では、いつもニュージーランドに有利な笛が吹かれている」と述べ、このコメントが英語圏のメディアで大きな話題を呼んでいる。
これについて聞かれたニュージーランドのスティーヴ・ハンセン ヘッドコーチは、「南アフリカ代表には敬意を抱いているし、ラシーはしっかりとした人間だと思うが、こういうやり方には賛成しない。レフリーにプレッシャーをかけるという、心理戦だろう。レフリーたちは、既に十分なプレッシャーのもとで笛を吹いている。我々がヘッドコーチの立場から更なるプレッシャーをかける必要などない。そもそも、誰が試合の笛を吹くかなどは大事な話ではない。大事なのは、チームのキャラクターだ。試合後に、レフリーが何を見逃したとか、見逃さなかったとか、感情的になったところで仕方がない。我々だって、不運な誤審にあったことはある」と、軽い反撃のコメントを述べた。
スターティングメンバーの選考については、ニュージーランドの記者たちから多くの質問が飛んだ。これに対しては、「ファーストチョイスの15人などというものは存在しない。どういった試合展開になるかによって、23人をどのように使うか、という戦いだ。日本には31人のグループでやってきており、違う選手を組み合わせることにより、違うことをする能力を作りだせる」と、王者を率いるヘッドコーチらしき回答を。
また、会見に出席したキアラン・リード主将(NO8)は、「南アフリカは、フィジカルを前面に押し出し、キックを有効に使った戦い方でくるだろう。カウンターアタックや、ターンオーバーの速攻もうまい。何をしてくるかは、よくわかっている」と、リラックスした表情を見せた。
リードのトイメンとなる南アフリカのドウェイン・フェルミューレンは、21日のニュージーランド戦で50キャップ目となる。これについて聞かれると、「奴とはもっとやりあっているような気がしたけど、まだ50試合目か。いい奴だが、試合中は本当にアグレッシブで、攻守共に激しいプレーをしてくる。チャレンジを楽しみにしているよ」と、ここでも余裕のコメントを残した。
昨年以降、これまで両国は3度対戦し、戦績は1勝1敗1分け。3試合の合計得失点数まで同じと、実力は拮抗している。だが、過去の試合の結果など、もはや何の意味も持たない。4年一度の大舞台で、勝利の女神はどちらに微笑むか。世紀の対決は9月21日(土)18時45分、横浜国際総合競技場でキックオフを迎える。