W杯に挑むジャパンの最強スコッド決定！　リーチ、田中、姫野ら選出、山中は悲願叶う

　9月20日から日本で開催されるラグビーワールドカップで、日本代表史上初のベスト8以上を目指す、誇り高き勇敢な桜の戦士、31人が決まった。ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチが8月29日に都内で会見をおこない、2大会連続で主将を務めるリーチ マイケルを含め大会登録メンバー（FW 18、BK 13）が発表された。

　日本代表の強みであるスクラムを最前線で押すプロップ（PR）は、5人が選ばれた。
　7月の宮崎合宿で右手甲を骨折し、パシフィック・ネーションズカップ（PNC）不参加だった具智元がワールドカップスコッド入り。ふくらはぎを負傷し一時離脱していた中島イシレリも選出された。背番号1が有力視されている稲垣啓太も順当に入り、右PRは具のほか、ヴァル アサエリ愛と木津悠輔が選ばれた。その一方で、前回の2015年大会で歴史的3勝に貢献した33歳の山下裕史は落選となった。

　競争が激しいスクラムハーフ（SH）は3人選ばれ、70キャップを誇る田中史朗とともに茂野海人、流大が切磋琢磨を続ける。

　世界を驚かせた2015年イングランド大会のメンバーで、今回も選出されたのは10人。2011年のニュージーランド大会を経験しているフランカー（FL）のリーチ、SH田中、フッカー（HO）の堀江翔太にとっては3大会目のワールドカップで、2007年のフランス大会でも日の丸を背負い、一度代表引退を表明したものの桜のジャージーへの思い強く復帰したトンプソン ルークは4大会目の参加となる。
　トンプソンと同じロック（LO）で選ばれたヴィンピー・ファンデルヴァルト、ヘル ウヴェ、ジェームス・ムーアは国際経験が少ないため、運動量も豊富なベテランの存在は大きい。

　初めてワールドカップの舞台に立つのは21人で、フルバックなどユーティリティープレーヤーとして期待される31歳の山中亮平も名前を連ねた。
　山中は、2011年大会で代表候補だったが、ひげを伸ばすために使用した育毛剤が原因でドーピング違反となり2年間の資格停止処分を受け、前回大会も落選してバックアップメンバーに終わっていただけに、悲願が叶った。

　2020年の東京オリンピック（7人制ラグビー）、そしてその後、医者を目指す福岡堅樹は今回のワールドカップを最後に15人制日本代表から退くと明言しており、並々ならぬ決意でこの秋の大舞台に臨む。

　HOは3人で、堀江、坂手淳史に加えテストマッチ未経験の北出卓也も選出された。

　バックローは、日本出身選手では徳永祥尭と姫野和樹が選ばれた。姫野は8月下旬の網走合宿中に足首を捻挫し、回復まで2週間かかる見通しだが、本番には間に合いそうだ。
　前回大会で活躍したリーチ、ツイ ヘンドリック、アマナキ・レレイ・マフィに加え、リーダーシップもある南アフリカ出身のピーター“ラピース”・ラブスカフニと、ハードワーカーたちがそろう。
　今夏のPNCのスコッドに入っていた布巻峻介は選ばれなかった。

　バックスでは、ジョセフ ヘッドコーチに「ジャパンの10番として大きく成長した」と信頼される田村優が司令塔を務める。スタンドオフ（SO）をカバーできるユーティリティープレーヤーの松田力也も選ばれ、本番へ向けて準備を進める。

　センター（CTB）で選ばれた中村亮土、ラファエレ ティモシー、ウィリアム・トゥポウはワールドカップを経験していないが、さまざまなコンビネーションを試して連係は日に日によくなっており、ディフェンスでも期待される。ハイボールに強いトゥポウはフルバックとしてもオプションになる貴重な存在だ。

　アウトサイドバックス（WTB、FB）は、山中と同じく複数ポジションでプレーできる万能選手の松島幸太朗がキープレーヤーのひとり。スピードスターの福岡に加え、レメキ ロマノ ラヴァも勝負強いフィニッシャーであり、スーパーラグビーのチーフスで活躍し日本代表に招集されたアタアタ・モエアキオラはパワフルな走りが魅力だ。

　日本代表にとって本番前最後のテストマッチとなる9月6日の南アフリカ代表戦（埼玉・熊谷ラグビー場）はチケット完売。そして、9月20日のワールドカップ開幕戦（東京・東京スタジアム）ではロシア代表と対戦する。その後、日本ラグビー悲願のワールドカップ8強入りをかけ、プールAの強力なライバルとなるアイルランド代表戦（9月28日／静岡・小笠山総合運動公園エコパスタジアム）、サモア代表戦（10月5日／愛知・豊田スタジアム）、スコットランド代表戦（10月13日／神奈川・横浜国際総合競技場）に挑む。

＜ラグビーワールドカップ2019　日本代表 スコッド＞

【PR】
稲垣 啓太（パナソニック ワイルドナイツ／29歳／28 caps） ※ 2015年大会出場
木津 悠輔（トヨタ自動車ヴェルブリッツ／23歳／3 caps）
具 智元（ホンダヒート／25歳／7 caps）
中島 イシレリ（神戸製鋼コベルコスティーラーズ／30歳／2 caps）
ヴァル アサエリ愛（パナソニック ワイルドナイツ／30歳／8 caps）

【HO】
北出 卓也（サントリーサンゴリアス／26歳／―）
坂手 淳史（パナソニック ワイルドナイツ／26歳／16 caps）
堀江 翔太（パナソニック ワイルドナイツ／33歳／61 caps） ※ 2011、2015年大会出場

【LO】
トンプソン ルーク（近鉄ライナーズ／38歳／66 caps） ※ 2007、2011、2015年大会出場
ヴィンピー・ファンデルヴァルト（NTTドコモレッドハリケーンズ／30歳／12 caps）
ヘル ウヴェ（ヤマハ発動機ジュビロ／29歳／13 caps）
ジェームス・ムーア（宗像サニックスブルース／26歳／2 caps）

【FL】
ツイ ヘンドリック（サントリーサンゴリアス／31歳／44 caps） ※ 2015年大会出場
徳永 祥尭（東芝ブレイブルーパス／27歳／11 caps）
リーチ マイケル（主将／東芝ブレイブルーパス／30歳／62 caps） ※ 2011、2015年大会出場
ピーター“ラピース”・ラブスカフニ（クボタスピアーズ／30歳／2 caps）

【FL/NO8】
姫野 和樹（トヨタ自動車ヴェルブリッツ／25歳／12 caps）

【NO8】
アマナキ・レレイ・マフィ（NTTコミュニケーションズシャイニングアークス／29歳／24 caps） ※ 2015年大会出場

【SH】
茂野 海人（トヨタ自動車ヴェルブリッツ／28歳／9 caps）
田中 史朗（キヤノンイーグルス／34歳／70 caps） ※ 2011、2015年大会出場
流 大（サントリーサンゴリアス／26歳／18 caps）

【SO】
田村 優（キヤノンイーグルス／30歳／57 caps） ※ 2015年大会出場

【SO/CTB】
松田 力也（パナソニック ワイルドナイツ／25歳／19 caps）

【CTB】
ウィリアム・トゥポウ（コカ･コーラレッドスパークス／29歳／9 caps）
中村 亮土（サントリーサンゴリアス／28歳／18 caps）
ラファエレ ティモシー（神戸製鋼コベルコスティーラーズ／28歳／17 caps）

【WTB】
福岡 堅樹（パナソニック ワイルドナイツ／26歳／33 caps） ※ 2015年大会出場
アタアタ・モエアキオラ（神戸製鋼コベルコスティーラーズ／23歳／3 caps）
レメキ ロマノ ラヴァ（ホンダヒート／30歳／11 caps）

【FB/WTB】
松島 幸太朗（サントリーサンゴリアス／26歳／33 caps） ※ 2015年大会出場

【FB】
山中 亮平（神戸製鋼コベルコスティーラーズ／31歳／13 caps）