日本代表、PNC連覇の可能性消滅 トンガに雪辱ならず
アジア5カ国対抗戦に続き、「IRB パシフィック・ネーションズカップ(PNC)」でも連覇を目指した日本代表は10日、東京・秩父宮ラグビー場でトンガ代表と対戦し、20−24で惜敗した。ジャパンは5日に行われた第1戦もフィジー代表相手に黒星を喫しており、0勝2敗(勝点2)で今大会優勝の可能性はなくなった。
相手にペナルティゴール(PG)を決められ先制された日本は、前半13分、ゴール前ラインアウトからモールで押し込み、マイケル・リーチの替わりにNO8に入った初キャップのヘンドリック・ツイが代表初トライを挙げた。
しかし、昨年のワールドカップで日本代表を降している世界ランキング9位のトンガ代表は落ち着いており、2分後、敵陣22メートル左でのマイボールスクラムから、パワフルなSHタニエラ・モアがディフェンダーを引きつけ、サポートしたWTBアラスカ・タウファがゴールラインを越えてすぐさま逆転する。トンガは24分にもスクラムからチャンスを広げ、CTBアリパテ・ファタフェヒの突破で22メートルラインへ迫ると、左へのロングパスとHOイライシア・マアシのランを挟んで、SHモアがトライ。
17−10とトンガがリードしてハーフタイムを迎えた。
しかし後半早々、日本はすぐに追いついた。42分、ポスト正面近くのPGチャンスを右ポストに当ててしまったFB五郎丸歩が、はね返ったボールを自ら確保し、インゴールでグラウンディングに成功。ゴールも決めて17−17とした。
そして、ワールドカップ以来のライバル対決は、ラスト20分間の戦いに突入。均衡を破ったのは、ボールキープ力が高いトンガだった。21分、自陣深くからの連続攻撃で相手22メートル内に侵入し、左に人数を余らせた状態で途中出場NO8パウラ・カホが五郎丸を振り切ってインゴールに走り込んだ(ゴール成功)。
それでも粘る日本は69分、PG成功で4点差に迫る。追い上げムードのなか、相手CTBマフィレオ・ケフが危険なタックルでイエローカードをもらい、数的有利となった日本は76分、敵陣22メートル内でラインアウトのチャンス。が、途中出場HO有田隆平のスローイングはノットストレートとなり、逆転劇は生まれなかった。
残り時間をFWのボールキープで守り切ったトンガは、PNC(前身のパシフィック・ファイブネーションズ含む)では6年ぶりの日本戦勝利。初戦を落としたものの1勝1敗(勝点5)とし、優勝争いに残った。