NZ代表マッケンジー離脱でサンウルブズのパーカーに熱視線? W杯へ、カーター復帰望む声も
今年9月20日から11月2日にかけて日本で開催されるラグビーワールドカップで、史上初の大会3連覇を狙うニュージーランド代表“オールブラックス”だが、SO(スタンドオフ)、FB(フルバック)としてプレーできる重要な戦力として期待されていたダミアン・マッケンジーがスーパーラグビーの試合で右膝の前十字靭帯を断裂してワールドカップ出場が絶望的となり、代わりに誰をスコッドに入れるべきか、ニュージーランド国内で議論が熱を帯びている。
その中のひとりとしてメディアの間で名前が挙がっているのが、現在サンウルブズでプレーしているヘイデン・パーカーだ。身長175センチ、体重82キロ、ニュージーランド南島オタゴ地方にあるオマルー出身の28歳であるパーカーの最大の魅力は、左足で放つ正確なプレースキック。
昨年のスーパーラグビーでは、ゴールキック50本中48本決めて成功率96%という驚異の数字をマークし、連続成功は38回で大会新記録を樹立した。今年も10節を終えた時点でわずか2本しか外しておらず(36本中34本成功)、成功率は94%と抜群に安定していて、いまや世界最高のゴールキッカーと呼ばれている。
そんなパーカーを高く評価するのは、1996年から99年にかけてオールブラックスのヘッドコーチを務めたジョン・ハート氏だ。かつての名将は今週、自国のラジオ番組でパーカーについて「彼は経験豊富で、最高のゴールキッカーのひとりであり、勇敢だ」と語り、3番手SOに推している。
ニュージーランドラグビー協会は原則的に、海外を拠点にしている選手はオールブラックスに選出しないため、日本チームのサンウルブズでプレーし、神戸製鋼コベルコスティーラーズの選手でもあるパーカーは、現時点ではオールブラックス入りの資格を持っていない。
しかしハート氏はそれについて、パーカーと所属クラブの契約について詳しいことはわからないとしながらも、今年のスーパーラグビー後にパーカーを呼び戻してマイター10カップ(ニュージーランド国内大会/8月8日~10月下旬に開催)でプレーさせ、来季スーパーラグビー契約を母国のチームと結べば代表選出は可能なのではないかと見る。
そんなサプライズマジックが実現するかどうかはわからないが、パーカーはオールブラックスに値すると多くが認める選手であることは間違いない。