海外 2019.04.25

ハリケーンズBで貴重な経験。NZ留学中のリコー・牧田旦。

[ 多羅正崇 ]
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ハリケーンズBで貴重な経験。NZ留学中のリコー・牧田旦。
ハリケーンズBの選手としてウルフパック戦でプレーした牧田旦(撮影:山口高明)

 ハリケーンズBの一員として、日本代表候補による特別チーム「ウルフパック」と相対した。

 ウルフパックは4月20日、千葉・ゼットエーオリプリスタジアムで、スーパーラグビー・ハリケーンズ(ニュージーランド)の下部チーム「ハリケーンズB」と強化試合第3戦をおこない、10トライを挙げて66-21で大勝した。

 ハリケーンズBの25番を背負っていたリコーの牧田旦(まきた・あき)は、後半25分から途中出場。センターとして躍動感ある攻守を見せた。

「チームは負かそうという気持ちでした。負けるつもりもさらさらなく来たんですけど、ジャパンが強かったです」(牧田)

 神奈川・藤沢ラグビースクールから、湘南工科大学附属高校、帝京大学と進んで、リコーで6年目を迎えている。
 183センチ、90キロのパワフルなセンターで、昨季トップリーグではカップ戦を含めて11試合に出場。勢いのある27歳だ。

「昨日(19日)のサンウルブズの試合にも出ていた選手もいました。すこしレベル的には落ちていましたが、ジャパン相手にも戦えているところはありました。良いチームでした」(牧田)

 今回のハリケーンズBは3月の前回対戦より若い編成。先発15人の平均年齢は23歳。そのうち今シーズンのスーパーラグビーを経験しているのは、三菱重工相模原のFLヘイデン・ベッドウェル・カーティス、21歳の新星PRアレックス・フィダウ、前日のサンウルブズ戦のリザーブで未出場だった19歳の大器、CTBビリー・プロクターの3人のみ。11人いたリザーブには10代が5人いた。

 ただ「ハリケーン・ハンターズ」の名で活動するハリケーンズBは「今年無敗」(牧田)だった。

 同じニュージーランド勢であるクルセイダーズとブルーズの下部チーム、そして3月のウルフパック戦に52-31で勝利。公表されていないが、「他のナショナルチームとも戦って負けていないそうです」(牧田)。

 しかし無敗チームのプライドは、2月初旬より強化されてきた日本代表候補の前に粉砕された。

 牧田がハリケーンズの内情に詳しいのは、ニュージーランドの首都ウェリントンにある練習グラウンドで、時にハリケーンズと共に汗を流しているから。

 今年はリコーから6選手が同国へ留学中。PR大川創太郎、PR西和磨、SH高橋敏也、SO浜岸峻輝、CTB濱野大輔、そしてCTB牧田。3月上旬から6月までラグビー王国で研鑽する。

「リコーとハリケーンズはパートナーシップを結んでいます。その関係で、今年は前回の留学とは違った形で、ハリケーンズの練習場で一緒にやらせてもらっています」(牧田)

 前回2015年のニュージーランド留学ではウェリントンの強豪クラブ・タワでプレーしたが、今回はリコーから4月にパートナーシップ締結が発表されたハリケーンズにひとり混じっているという。そして今回の選抜があった。

 かつての仲間との対戦も楽しんだ。ウルフパックで途中出場の中村亮土は帝京大の同期。ほかにも「ユタカ(SH流大)もリキヤ(CTB松田力也)もかぶっています」。ただアフター・マッチ・ファンクションがなかったため話し込むことはできず、留学中の牧田はハリケーンズBの一員として帰路についた。

「留学期間が残っているので、僕も今日ニュージーランドに帰ります。僕もまだまだ準備はしますが、あの場(ウルフパック)にいることがチャンスなので、みんなには頑張ってもらいたいです」(牧田)

 ベイビーフェイスの27歳は丁寧なファンサービスのあと、爽やかな笑顔を残してチームバスに乗り込んだ。稀有な経験を糧にして、ひと回り大きくなった姿をファンに披露したい。

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