桐蔭学園、選抜大会3連覇へ。注目の佐藤健次は「もっと引っ張っていかなくては」
第20回全国高校選抜ラグビー大会の準決勝で、桐蔭学園は京都成章に21-20で辛勝。大会3連覇に王手をかけたが、NO8で新2年生の佐藤健次は襟もとをただした。
「まずはホッとしているというのが、いま、いちばんの大きい(気持ち)。きょうは自分としてもチームとしても最低ラインの、出来が良くなかった試合だった。あすは修正して、もっといいゲームにつなげていきたいと思います」
この大会では4日の準々決勝でスキルフルな東福岡に67-21で快勝も、この日は巨漢ぞろいの京都成章に肉弾戦で差し込まれて後半14分まで7-20と劣勢だった。後半ラストワンプレーで逆転したものの、藤原秀之監督は「春は(どのチームも)フィットネスがそこまで上がっていない。それでうちが勝たせてもらった」といった趣旨で総括する。東福岡戦で3トライの佐藤は、京都成章を相手にもビッグゲインを披露。しかし、試合全体をこう総括した。
「チームでもチャレンジャーとして100パーセントの力を出そうという言葉は出ていたのですけど……。おそらく、京都成章さんのほうが勝ちたいという気持ちが出ていて、一つひとつのプレーで圧力を感じました。東福岡戦ではもっとまっすぐ力強く当たっていたのですけど、きょうは――自分もそうでしたが――ステップで逃げるなど、相手のFWをよけてしまうプレーが多くて。相手が大きいことは試合前から知っていたこと。(ぶつかり合いで)まっすぐやり合えば、もう少しいい運びができたと思います」
身長177センチ、体重93キロ。すでに逸材と見なされていた横浜ラグビースクール時代と比べると、やや筋肉が目立つようになったか。昨季はルーキーながらレギュラーに定着し、力と速さを感じさせてきた。
「注目されているかはわからないですが、きょうも自分がボールを持っていなくても相手からの『佐藤健次、見た!』というコールがあって。そういうプレッシャーは、去年よりも(今季のほうが)多い実感です。ただ、それで何もできないというのでは話にならない。周りを活かすなら周りを活かすとか、自分が何をできるかを考え、プレーの幅を広げたいと思っています」
常に日本一を狙う桐蔭学園では、「練習で伸びる機会がある」と話す。相手ボールの接点に頭を入れるかどうかの判断、パスをもらう前の手の動きの質など、細部にこだわる部風のもと成長を実感している。「ゲイン(突破)100パーセント」を今季の個人目標とし、まずは7日の選抜大会決勝を見据える。
「去年からメンバーに入っていたから特別どうだというのはないのですが、去年の経験は自分にとって大きいものがあって。引っ張られる側ではなく、もっと引っ張っていかなくてはいけないという意識があります。きょうであればもっとボールを持って、もっとゲインして……と。きょうは首の皮ひとつでつながったので、あすは自分が引っ張れるようにいい準備をして臨みたいです」
ファイナルの相手は御所実だ。