【コラム】やっぱりONE AND ONLY. だった。
2018-2019シーズンの取材メモ
■きっとウォームアップから楽しい。
今年は『ONE AND ONLY. 』で昨年は『Precious ONE』だった。
ラグビーマガジンで全国高校大会をまとめる時には、予選から一貫してキャッチフレーズをつけている。
花園の2週間はもちろん、各カテゴリーのラグビーシーンは、それぞれが選手、コーチ関係者にとってかけがえのない場所、時間であることを実感させられた。
世の中に日々流れる洪水のような情報の中、たとえば花園1回戦2点差試合のニュースは砂粒のように小さい。小さいが、ラグビーにとって、全国で楕円球に携わる人にとっては、大切な事実だ。
下記、2018-2019シーズンに数えきれないほど出あった『ONE AND ONLY. 』から、ラグビーマガジンに掲載しきれなかった人々や場面を駆け足で紹介したい。
2018年11月25日、関東大学リーグ戦最終戦で法政大学が、雄叫びをあげた。
法政大 22-21 流経大。法政が、4季ぶりに流経大に勝った。試合後の会見で、高鍋高校出身、川越藏主将はまだ泣いていた。この勝利の喜びに半分、もう半分は終えたシーズンへの複雑な感情からだ。
2週前、東海大に敗れた時点で法政は4位以下が確定。大学選手権へは駒を進められないことが決まってしまった。すると間もなく、公式戦メンバーに入らないCチームの4年生から、もう練習には出ない、との申し出があった。彼ら自身の臨む試合がそれ以降はないからとの理由だった。
どうしても、部員全員で最後の試合に臨みたかった主将は、申し出のあった個々に話をしにいった。その4年生自身にとってプレーをする理由が感じられない背景や気持ちを聞き、プレー以外の部分でメンバーをサポートしてほしいと希望を伝えた、という。
「それまでに、辞めてしまっていた部員もいます」。自らを不甲斐なく感じているのか、川越主将の表情は晴れない。