【ラグリパWest】レクリエーションは花園で 第3回ラグビー・ドクターカンファランス
花園は高校生のためだけにあるんやないんやでー。ちゃららーん♪
可朝師匠、好きでした。
冬でも青々としてる芝生の上を走り回ったのはラグビードクターたちや。
「関東から来たんすっけど、ここで試合ができるだけでうれしいです」
花園は医師たちにとっても魅力的なラグビー場やったわ。
年末年始の高校大会でマッチ・ドクターをつとめはった人もいる。グラウンドの両サイドに2人ずつ4人が控え、ケガが起こったら走る。安全面を支えるボランティアのおっさんたちが今日は主役になりましてん。
2月10日、3連休の中日やったな。
「ケガのないようにやってや」
世話人の外山幸正はんが声をかける。
今年10月で古希を迎える整形外科医は、関西協会の医務委員長でもある。東は静岡から西は山口まで22府県を束ね、半世紀近くラグビー医療に携わってはるんや。
先生、心配はご無用や。
たとえケガをしてもあらゆる事例に対応可能。麻酔科も肩や脊髄の専門家もいてはる。この人らで総合病院開いたら大はやりや。
レフェリーは織田信次はん。関西協会レフェリー委員会の副委員長をやってはる。
えっ、関西のナンバー2を呼んだん?
「名前だけです」
58歳の織田はんは謙遜する。
外山はんは事もなげに答える。
「いい加減な笛を吹かれたらケガのもとや」
みなさん三々五々集まってきて、自分らでアップを始める。キックオフは予定の11時を少しずれ込んだ。外山はんは言う。
「いい加減でええんや。ファジーにしとかないと楽しくない」
さすがやねえ。このメリハリ。審判はトップを呼ぶけど、問題のないところはゆるゆる。これこそ人を救う医療やな。
参加者は2チームに分れ、13人制で戦う。15分ハーフを3つこなした。
試合は72-31。関西ドクターズの深緑×黒のジャージーを着た方が大勝した。
ループ、イン返し、キックパスなど、現役も真っ青ってほどではないけれど、それなりのプレーも飛び出す。しかし、いかんせん持久力に問題あり。抜けた瞬間、声がかかる。
「ひとりで行ってー」
最年長の外山はんも70歳以下を示す赤パンツをはいてピッチに立った。交代がいてないため、45分間出ずっぱりや。
「タックルされてもうたわ。赤パンにしたらアカンのになあ。まあ、しゃーないな。試合になったらわからんようになるし」
汗をしたたらせながら、笑ってはった。