コラム 2019.02.14
【ラグリパWest】レクリエーションは花園で 第3回ラグビー・ドクターカンファランス

【ラグリパWest】レクリエーションは花園で 第3回ラグビー・ドクターカンファランス


 グラウンド入口にかかっているAEDのお世話になる人はなく、無事に試合は終わった。
 中村明彦はんがあいさつをする。日本協会のメディカル委員長や。
「こういう場を続けて行ければ」
 この国のラグビーにおける医務方の実務トップはにこやかやった。
 最後は一本締め。「よーお」に続いて、みんなは大きく一回手を叩いた。

 ああ、着替えはテストマッチ用の2019ロッカー。ここは高校決勝など特別な場合にしか使わしてもらえへん。
 ジャージーの洗濯にはひかりやクリーニングの大将が控えてはる。
 試合のあとはスタンド裏にあるお好み焼き屋で反省会や。ビールが入った人もおって、フィリピンパブと医療の関連性について盛り上がってたわ。ドクターらの結束はさらに固まったって感じやな。

 この試合の参加費は1000円。グラウンドやロッカー使用料、反省会代を含めた残り「うん万円」は外山はんがもちはった。
「みんなが楽しんでくれたらええやないか」
 大阪・富田林(とんだばやし)で「とやま整形外科クリニック」をやってはる開業医はさらっと言う。大阪府協会の医務委員長、新井達也はんの言葉を思い出したわ。
「外山先生はラグビーのために私財を投げうってはります」
 ほんまやね。

 この試合は前日9日、大阪市内であった「第3回ラグビードクター・カンファランス」のレクリエーションとしての位置づけやってん。

 関東、関西、九州の三地域協会の持ち回りで年1回開催される。日本協会と大正富山医薬品の共催ですねん。
「自己研鑽とネットワーク作りですね」
 この試合にも顔を出した齋藤守弘はんは意義を説明する。日本協会の企画部付部長として切り盛りしはった。

 会議は医師免許があれば、3000円で参加可能や。ラグビー経験の有無や携わりは関係おまへん。講演として、「ワールドカップの医務体制」や「中高生の重症頭頚部外傷」などがあった。約150人のドクターが集まった。

 午後5時30分から始まった会議は、有志による3次会までもつれこんだ。おひらきは日付をまたいだ午前2時過ぎ。
「ミッドナイト・カンファランスになったわ。まあでも楽しかった。勉強もして、プレーもできてね」
 ホスト役の外山はんの声は弾んどった。

 今年、日本で初開催されるワールドカップも含めて、ドクターも協会もよりよい環境作りに努力してるんやで。
 今度、グラウンドで「DR」って書かれた深緑のビブスをつけながら走ってくるドクターがいたら、気軽に声かけたかってなあ。
 ああ、アカンわ。この人らが出て行かん方が試合はアクシデントなく流れてるってことやからな。

 楕円球を追いかけてるみなさん、どうかご安全に。

試合後に写真におさまるラグビードクターたち。前列左は織田信次レフェリー(関西協会レフリー委員会副委員長)、ひとりおいて日本協会の中村明彦メディカル委員長、その隣が外山幸正さん

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