酒に悩まされた若きNZ代表ギルフォード 処分受け再起誓う
ザック・ギルフォード
ニュージーランド・ラグビー協会は14日、クルセーダーズのWTBザック・ギルフォードに対し、来年2月のスーパーラグビー開幕戦を含む4週間の出場停止処分を科したと発表した。オールブラックスでもある才能豊かな22歳は、ワールドカップ優勝を達成したあとの11月中旬、友人の結婚式に出席するため訪れたクック諸島で全裸の泥酔騒動を起こし、暴行して2人を出血させたうえに、スクーターの飲酒運転も発覚。さらに、島内の道路沿いでトレーニングランを行っていたある女性アスリートに対し、セクハラ発言をしたとして訴えられていた。
ギルフォード本人に不正行為の事情聴取を行ったニュージーランド協会は、アルコール依存の治療とカウンセリングを自己負担で受けるよう厳命。外部の専門家に処置を依頼し、リハビリを行っていくことで合意した。試合出場停止に関しては、スーパーラグビー開幕前のプレシーズンマッチ3試合も対象となり、公式試合で出場が許されないのは来年2月24日のブルーズ戦(イーデンパーク)のみ。3月3日にダニーデンで予定されているハイランダーズ戦から復帰可能となる。
U20代表として臨んだ2009年ジュニア世界選手権・日本大会では、優勝決定直後に父ロバートさんが秩父宮ラグビー場で心臓発作を起こし、亡くなるという悲劇があった。その悲しみを乗り越えて、20歳の若さで同年末のオールブラックス欧州遠征メンバーに選ばれると、11月7日のウエールズ戦で初キャップを獲得。2011年ワールドカップのカナダ戦では4トライを記録するなど、ラグビー選手としての期待値が上がる一方で、今年のトライネーションズ(南半球3カ国対抗戦)期間中にも2度、飲酒騒動を起こしていたことがのちに発覚し、アルコール問題についてニュージーランド協会はもちろん、本人も立ち直る策を必要としていた。
ニュージーランド協会公式HPでギルフォードはコメントを発表しており、「私を支えている多くの人たちを失望させてしまいました。来年、自分がいるべき場所に戻れるよう、ラグビーに集中します」と再起を誓っている。