帝京大が早大とのライバル対決制す 早稲田は3連覇の夢消える
昨年の大学チャンピオンである帝京大は3日、関東大学対抗戦Aでライバルの早稲田大を12-8で破り、今季成績を5勝0敗とした。FW勝負にこだわった早稲田大は試合終了間際の猛攻も実らず、3勝2敗となり3連覇の可能性はなくなった。
前半4分、帝京大がゴール前5メートル左のスクラム後、SH滑川が抜け出して先制トライを挙げた。追う早稲田大は11分、WTB原田のペナルティゴールで2点差とすると、20分にはWTB中?が脅威の粘り腰で5人のディフェンダーをかわし、逆転のトライを決めた。
5-8、早稲田大がリードしてハーフタイムへ。
後半49分、帝京大はゴール前5メートル左でのスクラム後、主将のSO森田が中央を突破し、トライで再びリードを奪った。「アドバンテージが出たことに気づいた。相手がひとり早く飛び出したので、ギャップに思い切り飛び込んだ」(帝京大・SO森田)。
早稲田大は試合終了間際に猛攻を見せ、ゴール前まで迫ったが、早稲田スクラムからの球出しを帝京WTB南藤がインターセプトし、逆転のドラマは生まれなかった。
この試合の結果、関東大学対抗戦Aの優勝争いは、5勝0敗の明治大と帝京大、3勝1敗の筑波大に絞られた。
● 帝京大 岩出雅之 監督 コメント
試合の中身は学生たちも満足していないと思う。心技体すべての部分できっちり準備してきたかというと、そうではない。甘さがあった。それはキャプテン以下、よくわかっているはず。しかし、得点的に勝ち切れたことは彼らには大きな自信になる。早稲田がボールを蹴ってくる作戦をとったのは想定どおりで、FB竹田はよくポジショニングしていたと思う。
● 帝京大 SO 森田佳寿 キャプテン コメント
接点の局面で一つ一つ勝っていこうと臨んだが、根気よく正確にボールを出せなかった場面もあり、反省点は多い。大観衆(1万9894人)のなか、早稲田という厳しい相手に空回りした部分がチームにあったのは確か。最後の相手の猛攻の場面は、「このシチュエーションを楽しんで、ガマンしよう」と皆に話した。これからも厳しい戦いは続く。一戦ずつ、目の前の試合に集中する。
● 早稲田大 辻高志 監督 コメント
1対1の勝負で勝ちにいこうとこの試合に臨んだ。まだFW戦で劣勢の部分があるので、伸びしろはあると思う。ブレイクダウンで反則が目立ったが、激しいボールの奪い合いで(反則と好プレーは)紙一重。選手が「いける」と思った場面で「いくな!」という指導はしたくない。ネガティブな気持ちは持っていない。
● 早稲田大 山下昂大 キャプテン コメント
帝京大はブレイクダウンで強いのはわかっていたが、予想以上だった。プレッシャーをかけられて、いい球出しができなかった。今日はFW勝負になると思っていたし、モールでも勝ちたかったが押し切ることはできなかった。