国内 2011.11.03

隙を見せない帝京大主将・森田 「トラブル、慢心が怖い」

隙を見せない帝京大主将・森田 「トラブル、慢心が怖い」

 今季、関東大学対抗戦Aで4戦全勝の帝京大が、初めて戸惑った。2011年11月3日、秩父宮ラグビー場。対抗戦前年度1位の早大戦だった。自信のあるスクラムやボール争奪で、相手に互角の勝負を挑まれた。SO森田佳寿主将によれば、「(早大のような)厳しい試合が初のメンバーもいて、いいテンションで臨んだのですが空回りして、ミスが多かった」。5-8とリードされ前半を終えた。が、後半9分、敵陣ゴール前左スクラムからボールを受けた森田が、飛び出した相手タックラーの背後を突いた。逆転トライを決勝点とした。「苦しいこと、嬉しいことがあってもマインドを崩さずないようにしている。だからああいう表情になった」。本人は無表情だった。
 帝京大は例年、秋の対抗戦を苦戦しながら冬の大学選手権でチームを引
き締め現在2連覇中だ。今年度は課題を覗かせつつも秋から連勝。周りからは王座に向け死角なしと言われ始めた。が、「トラブル、慢心が怖い」と森田。結末は神のみぞ知る。ただこれだけは確かだ。4年ぶりの対抗戦優勝、3年連続の大学日本一を目指す帝京大の中核には、滅多に隙を見せない22


歳がいる。


(文・向 風見也)


 

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