国内 2011.11.03

接点の優位性活かした明治 13年ぶりの優勝へ前進

接点の優位性活かした明治 13年ぶりの優勝へ前進

 FWによる力勝負の明大対タックルとキックの慶大。毎年、文化の日に秩父宮ラグビー場である慶明戦の図式は、概ねこうだった。が、2011年度、序盤は例外のように映った。前半はキックで陣地の取り合い、ペナルティゴールが交互に決まった。ハーフタイム直前、慶大が両チーム通じ初のトライを記録した。後半、互いに球を保持した。俊敏性や守備力を強化した明大と、縦に前進する個の強さを求めた慶大。これらが割と典型的なゲーム運びをした。
 後半16分、1点リードの明大は、敵陣の深い位置からゆっくり攻める。接
点の横を、PR石原慎太郎がえぐる。18-10。追って再三スクラムからトライを狙う。それに対し慶大が守備で粘る。球を奪い、パスとランでチャンスを作った。
 最後は明大が堅い守備で逃げ切るも、試合を動かしたのは古くからの両
校の強みだった。「前半、接点で優位性があったので後半はそれを活かそうと。ペナルティゴールが狙えても、FW」。母校が大学日本一となった1990年度主将でもある、勝った吉田義人監督は戦況をこう見た。敗れた慶大の公式会見では、「タックル」の4文字は出なかった。


(文・向 風見也)


 

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