神戸製鋼のジャパンFW勢も実戦登場 「いい試合し続けないと」(LO伊藤)
木津武士、山下裕史、伊藤鐘史、クレイグ・ウィング(右から/撮影:新屋敷こずえ)
11月13日に開幕した日本最高峰のラグビートップリーグ(TL)。9、10月のワールドカップ(W杯)イングランド大会を戦った日本代表も各地で試合出場を果たしている。
昨季4強の神戸製鋼では、PR山下裕史、HO木津武士、LO伊藤鐘史のFW陣が揃って戦列に復帰している。15日のキヤノンとのリーグ戦グループB・開幕節(神戸ユニバー記念陸上競技場)にも先発出場し、特にPR山下裕はフル出場。23-18とわずか5点リードで迎えた後半終了間際、効果的なタックルで相手の攻めを寸断させた。
対するキヤノンは南アフリカ代表のFBウィリー・ルルーが駆け出し、隣のSO橋野皓介主将にパス。その先に待ち構えていたのが、PR山下裕だった。身長183センチ、体重120キロの巨漢ながら、身軽に駆ける選手へ強烈なぶちかましを繰り出す。その持ち味を発揮し、落球を誘った。当の本人は安堵の表情だ。
「行ったところへ相手が来て、結果オーライです。最後はもう、しんどうて…」
チーム全体のプレーぶりには、やや手厳しい。得意のスクラムでは「要所、要所でターンオーバーを許した。映像を観返して、次につなげたい」と反省した。
ラインアウトリーダーのLO伊藤も、相手ボールをスティールするなど勘の鋭さをアピールしながら、「最初にしてはこんなところかな(という程度)」。控えめだった。
クラブは今季からアリスター・クッツェー新ヘッドコーチによる新体制を敷いており、「まだ(動きながら)頭で考えることが多かった」とLO伊藤。戦術理解や周りとのコンビネーションは「まだ上げられます」と捉えている。
先のW杯でジャパンがプール戦3勝を挙げたことで、世は空前のラグビーブームのただ中である。34歳で初の大舞台を経験したLO伊藤は、国内での競技人気継続を強く願っている。
「いまはブームのなか人が集まっていて(公式入場者数は7863人)、さっきのグリーディング(ファンと選手が交感する時間)にもたくさんのお客さんが来てくれていて嬉しいですね。ただ、いい試合をし続けないとこの熱は続かない」
神戸製鋼は22日、千葉・柏の葉公園総合競技場でNECとの第2節を迎える。