国内 2025.11.27

早大・城央祐、早慶戦でのファインプレーと主軸復帰を語る。

[ 向 風見也 ]
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早大・城央祐、早慶戦でのファインプレーと主軸復帰を語る。
城央祐[早大/FL](撮影:長岡洋幸)

 これがしたいことだった。

 早大2年の城央祐は、11月23日、東京・秩父宮ラグビー場にいた。「早慶戦」こと関東大学対抗戦Aの慶大戦にFLとして先発した。47-21とリードしていた後半38分頃にファインプレーを決める。

 自陣で抜け出す走者がいるのを察知し、駆け戻り、味方のタックルで倒されたそのランナーの手元に絡む。ボールをもぎ取りにかかる。

 継続を断ち切り、ペナルティーキックをもらった。

「(個人的に)もともと後半のワークレートに課題があった。バッキン(グアップ=抜かれた後の戻り)に帰ることなど、FLの仕事を(やり切るべく)意識的に取り組みました」

 昨季まで元日本代表で同じポジションだった佐々木隆道ヘッドコーチ(現トヨタヴェルブリッツアシスタントコーチ)のもと、身長185センチ、体重99キロのサイズを最適に使えるよう接点に関するスキルを習った。

 孤立した走者へ自ら身体を当て、自身の「真下」へテイクダウンし、楕円球へアプローチする。「相手を自分でコントロール」するイメージだ。いまは佐藤穣司アシスタントコーチのアドバイスをもらいながら、早大の守りを支える。

 試合は49-21で快勝した。序盤から多彩な攻撃が冴えた。もっとも35-7で迎えた試合中盤は攻め込んでのミス、反則によりやや停滞していた。

 古今東西、ビッグマッチで立ち上がりに圧倒した側が足踏みすることは少なくない。それでも1年時から主力の城は、それをよしとしない。

「疲れもあり、自陣にくぎ付けにされることもありました。1試合を通しての一貫性に課題がある。(入替えなどで)メンバーが代わっても関係なく80分間、攻め続けられるラグビーを目指しています」

 10月より約1カ月、日本代表の遠征に出ていた矢崎由高が、今回から早大へ復帰。ラインブレイクを重ねたが、本人が「いいところもあれば悪いところもあった。帰ってからもう1回、(映像などで)評価したいです」といった調子で話す通りにコンディショニング、周りとのコンビネーションには伸びしろを残す。

 この人とは出身の桐蔭学園高でもプレーした城は、「(矢崎は)自由。フォローできたら」。あちこちでボールをもらって人垣を突き破るレギュラーFBが、確立されたストラクチャーのもとゲームを進めるクラブへよりマッチできるよう努めたい。

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