ワールドカップ 2015.08.07

「自分の中の悪魔に打ち克て」。日本代表、W杯への第四次候補39名発表。

「自分の中の悪魔に打ち克て」。日本代表、W杯への第四次候補39名発表。

HC0807

ワールドカップへ向け日本代表第四次候補選手を発表するエディー・ジョーンズHC

 ラグビーワールドカップへの準備を進める日本代表の第四次候補選手のメンバーが発表された(8月7日)。39名が8月11日から宮崎市でおこなわれる合宿に参加。8月15日の世界選抜戦から始まる壮行試合3連戦に挑む。イングランド行きの切符を手にする31人が決まるのは8月31日だ。

 パシフィック・ネーションズカップスコッドの37人に、負傷が癒えたアマナキ・レレイ・マフィ(FW)、マレ・サウ(BK)の2人が加わった今回。三次候補から誰もカットしなかった理由をエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)は「怪我から復帰したばかりの選手もいれば、ゲームタイムが足りない選手もいるので」と話した。不確定要素が多く、まだセレクションと試行錯誤を重ねなければならない。
「やっと復帰してきた選手たちのパフォーマンスも見たいし、ユニットのコンビネーションも試したい。最後の最後(8月31日)までベストメンバーは決めません」
 ワールドカップでの各試合について誰がピッチに立つのか、リザーブなのか、それぞれの選手の役割は頭の中にはあるけれど、現在はまだ道の途中。「この39人が現在の(日本ラグビーの)ベストの39人」ということだけを明言した。

 カナダには勝ったものの、アメリカ、フィジー、トンガに敗れたパシフィック・ネーションズカップを振り返った同HCは、「結果は残念。しかし、最初から言っているように(ワールドカップに向けての準備の中では)練習試合。前進しているのならいい」と言った。
「小さなチームが(大きな相手に)勝つにはどうすればいいのか。目が覚めたら、そればかりを考えています」
 オフロードパスをつながれてピンチを招き、トライを奪われた最近の試合を振り返って「フィジー戦はBK同士を比べたら9センチ、9キロ相手が大きかった。オフロードをつながれて当たり前。2人目をどう止めるか、しかない」とした。
「アタックはボールキャリーの部分を改善し、もっとトライをとれるようにしないと。あと1秒(長く)立っていられたら(変わってくる)」
 その方法として(相手)タックラーにタックルするなど、さまざまな手を打っていくと話した。

 細かなところにも頭を巡らせながら、指揮官が言葉を強めたところがあった。ギリギリまで続く、ワールドカップメンバー入りを懸けた争い。そして、その先の本大会での戦い。それらを勝ち抜く選手となるには何が必要かと問われたときだった。
「国のために死ぬぐらいの覚悟を持てるかどうか。そういう必死さ、どん欲さが必要だと思います。フィジカルも必要でしょう。技術も、戦術も。しかし、そういう感情こそ大事。ワールドカップには、どこの国、選手もそういう気持ちになっているから(それまでの準備期間より)ステップアップして戦いに挑んで来る」
 ジャパンもそうでないと同じ土俵に立つ資格がない。
「私たち(コーチ陣)もそうなるように導きますが、最後は自分たち自身、です」
 自分の中に潜む、自分にしか見えぬ(弱気の)「悪魔」に打ち克て、と話した。

<ラグビーワールドカップ2015 日本代表第四次候補選手>

【FW:22名】
・畠山 健介 (サントリーサンゴリアス/66キャップ)
・平島 久照 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/42キャップ)
・山下 裕史 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/42キャップ)
・三上 正貴 (東芝ブレイブルーパス/26キャップ)
・稲垣 啓太 (パナソニック ワイルドナイツ/6キャップ)
・垣永 真之介 (サントリーサンゴリアス/5キャップ)

・堀江 翔太 (パナソニック ワイルドナイツ/35キャップ)
・木津 武士 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/35キャップ)
・湯原 祐希 (東芝ブレイブルーパス/21キャップ)

・大野 均 (東芝ブレイブルーパス/91キャップ)
・トンプソン ルーク (近鉄ライナーズ/56キャップ)
・伊藤 鐘史 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/34キャップ)
・真壁 伸弥 (サントリーサンゴリアス/29キャップ)
・宇佐美 和彦 (キヤノンイーグルス/4キャップ)

・アイブス ジャスティン(キヤノンイーグルス/30キャップ)
・リーチ マイケル (東芝ブレイブルーパス/40キャップ)
・ツイ ヘンドリック(サントリーサンゴリアス/29キャップ)
・マイケル・ブロードハースト (リコーブラックラムズ/20キャップ) 
・ヘイデン・ホップグッド (―/9キャップ)
・村田 毅 (NECグリーンロケッツ/4キャップ)
・ホラニ 龍コリニアシ (パナソニック ワイルドナイツ/41キャップ)
・アマナキ・レレイ・マフィ(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス/2キャップ)

【BK:17名】
・田中 史朗 (パナソニック ワイルドナイツ/46キャップ)
・日和佐 篤 (サントリーサンゴリアス/44キャップ)
・内田 啓介 (パナソニック ワイルドナイツ/11キャップ)

・立川 理道 (クボタスピアーズ/36キャップ)
・田村 優 (NECグリーンロケッツ/32キャップ)
・小野 晃征 (サントリーサンゴリアス/27キャップ)

・クレイグ・ウィング (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/8キャップ)
・山中 亮平 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/4キャップ)
・ティム・ベネット (キヤノンイーグルス/2キャップ)
・マレ・サウ (ヤマハ発動機ジュビロ/20キャップ)
・松島 幸太朗 (サントリーサンゴリアス/10キャップ)

・廣瀬 俊朗 (東芝ブレイブルーパス/27キャップ)
・カーン・ヘスケス (宗像サニックスブルース/8キャップ)
・山田 章仁(パナソニック ワイルドナイツ/13キャップ)
・藤田 慶和 (早稲田大学 4年/26キャップ)
・福岡 堅樹 (筑波大学 4年/15キャップ)

・五郎丸 歩 (ヤマハ発動機ジュビロ/50キャップ)

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