山田響[クボタスピアーズ船橋・東京ベイ]が激走、チームを敗戦から救うファースト&バースデートライ。
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クボタスピアーズ船橋・東京ベイのユーティリティーBK山田響が9試合ぶりに公式戦に出場し、試合終了間際の激走トライでスピアーズに勝ち点2を引き寄せた。
5月3日のNTTリーグワン ディビジョン1 第17節、試合開始前の時点で2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイが、今季最後のホストゲームで首位、埼玉パナソニックワイルドナイツと対戦。2月15日の第8節・コベルコ神戸スティーラーズ戦で右脚ハムストリングを負傷した山田響は背番号22を背負い、およそ2か月半ぶりに試合登録メンバーに名を連ねた。
後半11分、8点のビハインドを追う展開でハラトア・ヴァイレアと入れ替わり左WTBに入った山田。最大の見せ場は試合終了間際に訪れた。
24-29のスコアでスピアーズが5点差を追う後半38分台、攻め込むワイルドナイツのボールキャリアーに山田とCTB立川理道がダブルタックル、ボールがこぼれターンオーバーに成功する。
ボールを左右に動かしながらスピアーズは前進。ハーフウェイライン付近の左大外でCTBリカス・プレトリアスからボールを受けた山田は、相手タックラーを2人弾きながらエッジを激走しトライゾーンに飛び込んだ。
SOバーナード・フォーリーのコンバージョンキックは外れたものの、試合前日の5月2日に24歳の誕生日を迎えた山田のリーグワン初トライがスピアーズの敗戦を打ち消し、29-29の引き分けに持ち込んだ。
山田は3週間前にチームのトレーニングに復帰。プレーの感覚を取り戻しながらアピールを続けてきたという。迎えた11週ぶりの復帰戦、「インパクトプレーヤー」としてピッチに登場し、チームが最もキツい時間帯でチームを救うトライを決めた。
「『しっかり走り勝つ』ということをインパクトメンバーで話し合っていて。みんな80分戦ってキツいゲームだったんですけど、しっかり最後に走りきれたのは大きかったと思います」
タッチライン際で相手2人を弾き返すフィジカルの強さも見せつけたが、この時に考えていたのはつなぎの意識だった。「タッチに出ないように、ボールを続けるのが最優先」でフィールド内に踏みとどまった。
「しっかりコンタクトで勝って、結果的にはトライまで行くことできたんですけど、もしラックができてたとしても、自分たちのアタックにつながっていたのかなと思います」
昨年の慶大卒業前にアーリーエントリー選手としてスピアーズに加入し、強力なパワーを誇るチームメイトたちと体をぶつけ合うことで自らのフィジカリティも高めていった。これからはユーティリティーBKとして総合力を高め、さらにプレータイムを増やしていく決意だ。
「複数のポジションができるのが強みだと思っているので、そこを一番伸ばしていきたいと思っています」