8季ぶりPO出場のヤマハ 神鋼との準決勝へ「伸びしろは1番」(清宮監督)
写真左から神戸製鋼、ヤマハ発動機、東芝、パナソニック(撮影:大泉謙也)
日本最高峰ラグビートップリーグのヤマハは、上位4強によるプレーオフトーナメントに8季ぶり2回目の出場を果たす。他の3チームは3シーズン連続で同じ顔ぶれとあって、清宮克幸監督は「我々が新しく入ったことで見所も増えるのではないか。伸びしろは我々が1番と自負しています」と笑った。
「やっとこの舞台に戻ってこれました。普段の練習から常に言葉にしていました。そんなことじゃトップ4に勝てないぞ、入れないぞ、と」
13日、都内で会見した。早大で大学選手権優勝3回、サントリーでトップリーグ優勝1回という指揮官は、現職4年目。セットプレーと肉弾戦での優位性を打ち出す戦法を「ヤマハスタイル」と名付け、浸透させてきた。
長谷川慎FWコーチが指導するスクラムでは、FW8人が一枚岩となって押し込む。FLモセ・トゥイアリイら第3列も、相手HOの方向へ愚直に圧力をかける。
守備では、ダブルタックルを生命線とする。1人のボール保持者を2人がかりで止める。局面ごとの状況判断力が高まったと、FL三村勇飛丸主将は語る。
「2年ぐらい前は2人とも下(相手の足元)へ行ってしまって、その後のグラウンドレベルでの人数が13対14となってテンポを上げられることがあった。でも、1人が下に入って確実に相手を倒して、2人目は…(ボール付近へ)という判断を積み重ねてきた。ずっとやり続けてきたことが、結果につながってきた」
リーグ戦4位のヤマハは24日、大阪・近鉄花園ラグビー場で同1位の神戸製鋼とプレーオフ準決勝をおこなう。セカンドステージ第4節での直接対決時は、10-40で完敗している(2014年12月21日/ノエビアスタジアム神戸)。「これくらい気持ちよくやられたら、悔しくもなんともないと話した」という清宮監督だが、「2回目はそうはいかない」。相手のギャリー・ゴールド ヘッドコーチがシーズン終了後に南アフリカへ帰国するとあって、「日本ではさぞいい思い出を残されたと思う。苦い思い出も持ち帰っていただきたい」と笑わせた。
「神戸製鋼は、キープレーヤーがチームプレーに徹しているのが非常にやっかいなところ。試合に出ている選手のポテンシャルは高く、間違いなく横綱というイメージ。それで個が目立たない、と。前回の試合は大きなポイントになるとは思う。きっちり、仕事をさせていただきたい」