【サクラセブンズ PICK UP PLAYERS】仲間と勝つ喜びを。吉野舞祐[ナナイロプリズム福岡]
今季はシーズンのはじめからチームに加わり、全遠征に参加中。出番を増やせたことで自信がつき、それが思い切りの良さとなってプレーにも表れている。
サクラセブンズで成長を続ける24歳の吉野舞祐は、CTBやWTBが主戦場だ。特に出場の多いCTBは攻守にレンジが広く、味方を生かしながら自らも前に出なければいけない難しい役回りを求められる。
「スピードで抜き去ることはできないし、サイズも小さいので、倒されても立ち上がってドライブしたり、小さいステップで相手をずらしたりして、チャンスに繋げたいと思っています。そういう場面を少しずつですが増やせていると感じます」
福岡県出身。小学5年時にラグビーを始めるまでは、テニスに親しんでいた。
「テニスも楽しかったんですけど、走るのが好きだったので物足りなかったかもしれません」
元ラグビーマンの父・寛之さんや兄・隼平さん(福工大OB)、弟・航平さん(現JR九州)の影響で、かしいヤングラガーズに入団。成長が早く当時で158センチあったから、コンタクトに恐怖を感じることはなかったという。それがいまの強みであるタックルにも繋がっている。
「男子を入れても大きい方でした。でも、そこからほとんど伸びなかったので(現在160センチ)、どんどん抜かされました(笑)」
当時から足は速かった。運動会のリレーではアンカーを務め、男子2人を抜いたこともある。中学のバスケ部での活動や、タッチフットの練習が多かった福岡レディースで、その俊敏性はより磨かれた。
日体大進学は、新宮高校で教員だった元日本代表の南早紀の父に背中を押されて決めた。同級生には世代の顔である松田凜日もいたレベルの高い環境に身を置き、代表への思いが初めて芽生えた。
「それまでは代表というものにこだわっていませんでした。(所属チームの)仲間に恵まれたこともあり、チームメイトとラグビーをやるのが楽しくて、このチームで勝ちたいという気持ちの方が強かったんです」
口数が多いわけではないが、その思いが外側に滲み出るのだろう。高校3年時には福岡レディースでキャプテンを任され、サクラセブンズでも平野優芽主将(当時)不在のアジアシリーズ2023タイ大会でキャプテンを担った。
今季からナナイロでも共同主将を務める。
「負けず嫌いなので、試合に勝たないと面白くありません」
高校3年時に成し遂げた、サニックスワールドユースでの初優勝は一番の思い出。「みんなで喜び合って、努力が報われた瞬間でした」。あの景色をまた見たいのだ。
「自分が目立ちたいという気持ちはないんです。自分のプレーでチームが良い方向に進めばいいなと」
サクラセブンズ初招集は大学3年時。東京五輪後の2022年だった。以降、出場の叶わなかったパリ五輪までは当落線上にいた。
「選ばれなかった時はその事実をしっかり受け止めました。試合に出られても出られなくても、自分のできる最善のことをしようと」
苦節を経て、昨季、今季と記録づくめのサクラセブンズの一員となれた。
「本当に嬉しいことばかりでした」
何度でも記録を更新し、チームで勝つ喜びを共有し続けたい。
(文/明石尚之)
※ラグビーマガジン5月号(3月25日発売)の「セブンズ女子日本代表特集」を再編集し掲載。掲載情報は3月15日時点。

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