各国代表 2026.04.23

【南アフリカ記者コラム】エツベス、ポラード、ンボナンビ。3人のボクス功労者が直面する試練の2026年

[ Peter Davies ]
【南アフリカ記者コラム】エツベス、ポラード、ンボナンビ。3人のボクス功労者が直面する試練の2026年
左からポラード、エツベス、ンボナンビ(Getty Images)

 スプリングボクスでも選ばれし3人の優勝経験者にとって、2026年シーズンは決定的な1年になる可能性がある。
 来年に迫ったワールドカップ3連覇に向け、「グリーン&ゴールド」での未来を確かなものにするか、それとも終わりを迎えるかを左右する年となり得るのだ。

 エベン・エツベスのレガシーはすでに確立されている。スプリングボクス史上最多となる141キャップを誇り、これほどまでに一時代を象徴した選手はそう多くない。

 しかし、34歳となったLOにとって、今年は重要な局面に差しかかっている。昨年末のウエールズ戦での”目潰し”行為による12週間の出場停止を経て十分な休養を取ったものの、所属するシャークスでの復帰戦となったユナイテッドラグビーチャンピオンシップ(URC)の試合で負傷した。

 それ以前から、これまで自身が築いてきた非常に高いスタンダードにやや届いていない兆しも見えてきていた。
 彼に課せられた課題は明確である。キャリアを通じて示してきた他をドミネートするプレーを取り戻し、150キャップ到達の際にもこれまでと同様に圧倒的な存在感を示すことだ。

 SOのハンドレ・ポラードは、プレッシャー下での冷静さを体現する存在であり、2度のワールドカップ優勝を誇るその実績は南アフリカラグビー史に刻まれている。
 2023年決勝、ニュージーランド戦での勝利への貢献や、その前週のイングランド戦で決めた長距離PGなど、大舞台での勝負強さは疑いようがない。

 しかし2026年は、32歳のポラードにとっても試練の年となる。長年のイングランドでのプレーを経てブルズに復帰した今季、特にサシャ・フェインバーグ=ムンゴメズルという世代を代表する才能の台頭がその立場に影響を与えている。

 彼は昨年11月のフランス戦やアイルランド戦での活躍を含め、トップレベルで通用する実力をすでに証明している。ニュージーランド戦(ウェリントン)でのゲームメイクから、アルゼンチン戦(ダーバン)での圧巻のパフォーマンスまで、卓越したビジョン、スピード、直感を兼ね備えた稀有な才能を見せている。

 さらに、日本でプレーするマニー・リボック(花園近鉄ライナーズ)も依然として代表10番の座を争っており、その創造性と攻撃的なプレースタイルが異なる魅力を提供していることで、フライハーフ争いは非常に拮抗した状況にある。

 そして、最も厳しい視線が向けられる可能性があるのはベテランのHO、ボンギ・ンボナンビだろう。2度のワールドカップ優勝を経験しているものの、現在はワールドラグビー年間最優秀選手であるマルコム・マークスにポジション争いで後れを取っている。これまで長年にわたりマークスと背番号2を分け合ってきたが、状況は変わりつつある。

 さらに35歳のンボナンビはキャリアの終盤に差しかかる中で、新たな世代の台頭にも直面している。HOとPRの両方をこなせるヤン=ヘンドリック・ウェッセルズや、2025年に出場機会を増やして着実に成長しているヨハン・グロベラーが控えている。ンボナンビにとって今シーズンは、代表チームへの価値を証明するだけでなく、自らの存在意義を再確認する年となる。

 こうしたベテラン3人は、年齢を重ねるにつれて年間を通じた負担管理がいかに重要になるかを誰よりも理解している。南アフリカラグビー協会のマーク・アレクサンダー会長も、現在のトップ選手に求められる負荷は「持続可能ではない」と指摘している。

 この懸念は、ワールドラグビーのアラン・ギルピンCEOの発言とも一致しており、ヨーロッパでプレーしながら代表にも参加する南アフリカの選手たちが、ほぼ年間を通じて試合をこなしている現状が問題視されている。

 ギルピンCEOは「ヨーロッパでプレーしつつスプリングボクスとしても活動する選手は、実質11か月シーズンを戦っている。それは現在の競技レベルにおいて持続可能ではない」と述べている。

 アレクサンダーもこれに同意し、選手の健康と福祉を最優先すべきだと強調している。

「現在のスケジュールは選手に過度な負担を強いており、持続可能性を中心に据えた計画が必要です。選手の健康を守ることは絶対条件であり、商業的な利益と選手の健康のバランスを取るため、今後もワールドラグビーと協議を続けていきます」と語った。

 実際のデータもこの問題を裏付けている。FBダミアン・ウィレムセやLOのRG・スナイマンといった選手は、クラブと代表を合わせて12か月間で30試合以上に出場しており、日本でプレーする選手たちよりも明らかに負担が大きい。

 ヨーロッパチャンピオンズカップやURCに出場する選手はほぼ通年で試合をこなしている一方、日本でプレーする選手は比較的負担の軽い約9か月のシーズンとなっている。

 アレクサンダー会長は、世界のラグビーカレンダーを根本から見直す必要があると考えている。

「真の解決策を見つけるためには、固定観念にとらわれてはなりません。白紙の状態から対話し、妥協し、革新的な発想でこの課題に取り組む必要があります」と述べた。

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