国内 2025.12.25

代表活動で学び。サンゴリアス福田健太は「的を絞らせない」。

[ 向 風見也 ]
代表活動で学び。サンゴリアス福田健太は「的を絞らせない」。
12月20日・トヨタV戦で今季初トライを挙げた福田健太[東京SG/SH](©︎JRLO)

 休みの期間中も身体を動かしていた。

 東京サントリーサンゴリアスの福田健太は11月下旬、日本代表の欧州遠征から戻ると所属先の小野晃征ヘッドコーチと面談。12月13日からの国内リーグワン開幕へ、チーム方針や戦術についてレクチャーを受けた。

 その後は約1週間のオフを与えられたが、「身体のコンディションは維持しなければいけなかった」。サンゴリアスがする本格的な練習には混ざらずとも、個別で鍛錬を続けた。

「個人でトレーニングをし、(クラブ関連の)映像を見てサントリーでの役割を明確にしながら過ごしました」

 トヨタヴェルヴリッツから移籍2年目となる今季は、プレシーズンのほとんどを日本代表の活動に充てた。特に10月下旬からの約5週間は、国内外で上位国との5連戦に臨んだ。自身も4度ベンチ入りし、緊張感のあるフィールドに立った。

 攻めの起点のSHとして多くを学んだ。

「パスさばきは通用すると感じましたけど、アタックチャンスの見極め、そこを仕留めるためのオーガナイズ(全体の統率)は今後、磨いていかなきゃいけない点です。あとは、(自陣深い位置からの)脱出の仕方。そこを1歩間違えたら3、5点と(失点を)重ねられる。また、リスクを背負ってアタックするのも大事です。空いているスペースがあったら(皆で)コミュニケーションを取って同じ絵を見て攻める。…ひとつのミスが命取りになると感じました」

 ここでの「ミス」には技術面のほか、状況判断に関するそれも含めていよう。接点の周りに立つFWとの連携についても、話を進める。

 ひとりひとりに声をかけて然るべき布陣を作りながら、ラン、パス、キックのいずれかを繰り出す。

「サントリーではアグレッシブ・アタッキングをチームとして掲げている。個人で戦ってしまうとなかなか簡単に防御を割ることはできない。FWに動いてもらって、(防御に)的を絞らせないアタックのために(全体の動きを)コントロールをするのが大事」

 準備と経験値が実った。初戦から2試合連続でリザーブとして途中出場を続け、次第に点差をつける形での開幕2連勝を達成。疲れの生じる時間帯に、仲間と繋がってスコアをもぎ取った。組織が目指す連続攻撃と、その手法を理解した結果だ。

 今度は先発する。27日に東京・秩父宮ラグビー場で、昨季準優勝のクボタスピアーズ船橋・東京ベイとの全勝対決に出る。

 前年度6位からの飛躍が待たれるサンゴリアスにおいて、福田は「ゲームを作る」。向こうがトライラインの近くで大型FWの推進力を活かしたがると見て、「サントリーとしては、正しいエリアにい続ける(のが大事)」。そのために適宜、キックを用い、相手側のパワーランナーたちを首尾よく後退させたい。

PICK UP